大人になっても囚われたまま…愛着障害の症状や治療を知ろう

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      2017/07/17

この記事の読了時間: 63

不安になりやすい体質、不安になりやすい考え方の後ろにはしばしば親や親に代わる保護者との関係性が潜んでいる場合もあります。

今回は、不安定な人間関係・人に対する不安感が特徴的な愛着障害について紹介します。

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愛着障害って何?

愛着障害は乳幼児期に保護者と安定した愛着関係を築けなかったことで起きる問題です。

基本的には生まれて2年目までに作られるべき愛着形成がない状態で、虐待を受けた子供だけではなく一般的には『普通の』家庭で育っても愛着関係を築けないことも珍しくはありません。

ちなみに世界中で使用されているアメリカ精神医学会のDSM-IV-TRには反応性愛着障害というものがあります。

こちらは一般的な愛着障害という言葉よりも更に解釈が狭いものと考えてください。

 

愛着障害の種類・特徴

愛着障害には主に2種類がありますが、どちらでも対人関係が非常に不安定なのが特徴。

本人も知らず知らずのうちに人とのかかわりに不安・怖さを感じています。

不安感、恐怖感が現れるときには急に怒り出したり反抗的になったりといった、自分を守る行動も見られます。

不安でしょうがないからハリネズミのようにとげを出している感じです。

 

抑制型愛着障害

抑制型愛着障害は周囲から見ると『内気でおとなしい人』といった印象。

人に対する警戒心が高く、人とかかわることはほとんどありません。

疑いの心が強く、誰とも親しい関係になれないこともしばしばあります。

 

脱抑制型愛着障害

抑制型とはまったく逆に、周囲から見ると『社交性のある人』と印象付けられます。

ところが同時にどこか危うい社交性、なれなれしいといった印象も。

他人との適切な距離感がわからず、人のものと自分のものの区別がつきにくいことも。

人との関わりがほとんどない抑制型よりも、脱抑制型の方が愛着障害によるトラブルを引き起こしやすいのです。

 

愛着障害と発達障害の違いは?

花畑にいる女の子
愛着障害は後天性の部分が多く、発達障害は先天性なのが特徴です。

そのため、愛着障害の子を適切な環境(愛着関係がしっかり築かれる環境)に移してあげることで改善することはよくあります。

一方で、発達障害の子の場合は環境を変えても感情や行動面でのズレを抱えたままということが多いのです。

 

愛着障害を抱えることで起きる問題

愛着障害を抱えるということは安心感がないということなので、さまざまな社会的状況で以下のような問題が起きやすいです。

・人との距離感がわからないトラブルメーカーになってしまう

・自分の感情を自分でもまったく理解できず、やる気も起きない

・心身症や疲れやすさ、自律神経系の症状

・何事にも過敏になりやすい

 

愛着障害の発見と治療法

聴診器
愛着障害は基本的に環境に関わって起きる問題ですので、環境の改善がもっとも重要です。

保護者と医師・カウンセラーなどが一緒に家庭環境を作り変えていく、家庭を安心できる場所に変えるといった工夫が中心です。

精神科領域での治療に用いられることの多い薬物については、愛着障害では基本的には使いません。

 

子どもの愛着障害を早期発見するポイント

子どもの愛着障害の代表的な症状が、笑わない・目を合わせない・スキンシップを嫌がるの3点です。

この症状が出たら『安心感のない家庭』の可能性を考えてください。

赤ちゃんでも表情や雰囲気で大人と意志の疎通を図ろうとしますが、それがまったくない場合は何かしらの問題を抱えていることが多いのです。

 

愛着障害の改善に一番重要な『安全基地』

仲の良い親子のミニチュア
愛着障害の原因となっているのは、『家庭が安全基地ではない』こと。

虐待された子どもを想像してみてください。

毎日父親が母親を殴っていて自分もいつ殴られるかわからない、常に家がピリピリしていて1日無事に過ごせただけでありがたい、いないものとして扱われてご飯があるのが奇跡…こんな状況では家は危険としか言いようがありません。

もちろんこれらの例に限らず、家が危険地帯になることもあります。

ですので、親として子供の愛着障害に向き合いたいと思うならまずは家庭で安心感を感じられるようにしてあげてください。

外でつらいことがあっても家に帰ればホッとできる、そんな気持ちの持てる家庭を作っていきましょう。

 

安全な家庭が想像できません…!

板に描かれたクエスチョンマーク
もしも親のあなたが、もしくは大人のあなたが安全な家庭を想像できないなら、あなた自身が危険地帯で育った可能性があります。

愛着障害は子供に対する診断ですが、愛着障害のまま大人になり、精神的な問題を抱えるケースもあります。

例えば境界性パーソナリティ障害のように人間関係が不安定なパーソナリティ障害の人は、幼少期に愛着障害を持っていたことも多いです。

そのほか、危険地帯としての家庭で育ったことによる認知のゆがみ、自己評価の低さからトラブルを引き起こすこともたびたびあります。

 

大人の愛着障害の治療法

専門医による治療

大人になっても愛着障害を引きずったまま…という場合は、いくつかの解決法があります。

1つは専門医にかかること。自分では愛着障害だと思っていても別の疾患の可能性も否定はできません。

病名が大切なわけではなく、なかには薬で治療した方がよい病気もあります。

そういった病気・疾患との鑑別をするために専門医の診断・治療を受けるのもよいでしょう。

もう1つはカウンセリングに通うこと。

カウンセラーは今の状態に合わせた適切な解決法を一緒に探ってくれます。

自分の中に隠された不安と一緒に向き合ってくれる仲間がいる心強さは愛着障害の改善の重要なポイントの1つです。

 

親との和解、決別

芝生に座る父と娘
これはアダルトチルドレンからの脱出のためにも重要なポイントですが、親と和解出来ればそれがベストです。

子供時代をやり直すように甘えさせてくれたり、といったケースもゼロではないです。

ただ、それが難しい場合には内的な親と和解するか決別するかを選びましょう。

この辺は今度毒親特集の記事でお話しようと思います。

アダルトチルドレンからの回復、克服方法、治療のまとめはこちら

 

自分が自分の親になる

家庭という安全基地を与えられなかった以上、今度は自分自身で安全基地を作るしかありません。

自分が自分の親になって、子供時代の自分を受け入れてあげたり甘やかしてあげたりといったことが必要です。

自分で自分の親代わりになってあげましょう。

 

hanami1安全ではない子供時代を送ってきた方は、まず愛着障害ってものがあるんだー、対人関係が不安定なのは過去と関連してるかも?と考えてみることも大切だと思います!

愛着障害について知るきっかけになったなら幸いです^-^

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