境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)の気持ち・行動の特徴

記事の画像はイメージです。特定の人物を指すものではありません。

   

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境界性パーソナリティ障害は日本でもおよそ2%の人口に見られ、患者の7割が女性です。

境界性パーソナリティ障害の特徴は、さまざまなパーソナリティ障害の基礎的な部分とも言われ、『パーソナリティ障害』という概念自体境界性パーソナリティ障害から出てきたものです。

ここでは、境界性パーソナリティ障害の特徴についてじっくり見ていきましょう。

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見捨てられ不安と不安回避のための努力

見捨てられ不安とは相手に見捨てられることに対して敏感で、強い不安を覚えることです。

根っこには『相手は見捨てるんじゃないか』という疑念が常に渦巻いています。

実際の相手の行動は、客観的に見ると見捨てる・去っていくような行動ではない場合も多いです。

例えば仕事が忙しくて連絡を取れないというのは、見捨てる行動ではないですよね。

頭ではそうはわかっていても、境界性パーソナリティ障害の方は相手のちょっとした行動・言動・表情に敏感に反応します。

 

そして見捨てられる不安をどうにかしようと思い、努力するのです。

相手に連絡を強要したり、暴言や暴力を使う、自分を傷つけることもあります。

見捨てられ不安については以前別記事でも触れていますので、参考にしてみてください。

見捨てられ不安って何?原因・特徴・治し方・対処法まとめ

 

感情・行動・衝動のコントロールのむずかしさ

境界性パーソナリティ障害の方は感情のコントロール、そこから生じる行動・衝動のコントロールがとても苦手です。

自分でも自分の感情に振り回されてしまい、どうしたらよいのかわからなくなってしまうのです。

特に怒りの制御と自滅的な行動のコントロールが難しいのが特徴。

誰かれかまわず怒鳴りつけたくなり、どうにも怒りが収まらないこともあります。

また、自滅的行動のコントロールという面では、アルコールの過剰摂取、火遊びのような恋愛にのめりこむなどの行動が見られやすいです。

 

虚無感(むなしい)

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境界性パーソナリティ障害の方の心の奥底、ベースとなる部分には『むなしい』という気持ちがあります。

優しい恋人がいて、仕事があって、それなりに趣味もある…傍から見ると幸せかもしれない状況が与えられてもむなしさを感じずにはいられないのです。

もちろん、境界性パーソナリティ障害でない方がそうであるように、親しい人が離れていったりトラブルがあればむなしさは更に強くなります。

境界性パーソナリティ障害の方の場合は、ベースのむなしさがほかの人に比べてとても大きいので、トラブル後には自分自身が空っぽになってしまったように感じることも。

ひいてはうつ病などの病気にもつながる特徴です。

 

自分が嫌い

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『自分』への評価の低さはパーソナリティ障害に見られる特徴ですが、その特徴が一層出やすいのが境界性パーソナリティ障害です。

簡単にほかのB群のパーソナリティ障害との自己受容感、自分に対する評価の違いを見ていきましょう。

※反社会性パーソナリティ障害についてはここでは割愛します。

 

自己愛性パーソナリティ障害

低い自己受容感を『特別な自分』でカバーする

 

演技性パーソナリティ障害

低い自己受容感を『誰かほかの人間を演じること』でカバーする

 

境界性パーソナリティ障害

低い自己受容感をそのままむなしさ、無茶な行動につなげる

 

境界性パーソナリティ障害の方は、『自分が嫌い』と思っている方が多いです。

だからこそ自分を危険にさらす可能性のある無茶な飲酒、摂食行動の問題などもつい手を出してしまうのです。

『自分が大切』という気持ちのストッパーがかからない状態です。

私が接した境界性パーソナリティ障害の方の場合は、『嫌い』というよりも『自分の存在が許せない』というような言葉を使っていたと記憶しています。

 

二極思考(白黒思考)

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認知の歪みの1つである二極思考は、白か黒かどちらかしかないと考える傾向です。

私自身も以前は二極思考にとらわれていて、中間点や1つの物事に色んな見方があるということを知りませんでした。

境界性パーソナリティ障害の方にもこの二極思考はあり、特に対人関係への二極思考が出やすいです。

ある人がいい人だとすれば100%いい人、悪い人は100%悪い人になるのです。

でも実際のところ人間はかなり複雑な生き物ですから、どんなに好きな人でも嫌なところは1つくらいあるし、逆にどんなに嫌な人でもいいかなと思うところは1つくらいあるものです。

その複雑さを切り捨てて、他人への評価がころころ変わってしまうのが境界性パーソナリティ障害の大きな特徴です。

 

理想化と脱価値化

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上の二極思考を対人関係で使う時の現れ方が『理想化』『脱価値化』です。

理想化とは、相手が100%いい人、完璧な人に見えている状態です。

必ずしも時間をかける必要はなく、出会ってすぐに『理想化』の段階に行くケースが多いです。

ところが何かのきっかけでその人の悪いところが見えたときに『脱価値化』が始まります。

さっきまで完璧と思っていた相手が憎らしく、この世の悪を全部集めたかのような存在に見えてきます。

 

そこで怒り・衝動性のコントロールのむずかしさが出てしまうと、相手を暴言・暴力で攻撃することがあります。

その一方でどうして自分はこんなことをしているのかとむなしくなったり、ベースの自己嫌悪が強く出て今度は自分を傷つけることも。

境界性パーソナリティ障害の方の特徴が嵐のように出てくるのが脱価値化の時期と言えそうです。

 

まとめ

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あれこれと話が散乱してしまったような気がするので、簡単に最後にまとめを書いておきますね。

 

ベースにある気持ち

・むなしい

・自分が嫌い(自分を認められない)

・見捨てないで欲しい

 

考え方、物事の捉え方の特徴

・白黒思考

・感情や衝動をコントロールできない

 

実際に出る行動

・理想化と脱価値化を繰り返す

・自滅的な行動に走る

・見捨てられ不安を避けるためにしがみつく

 

境界性パーソナリティ障害の特徴は細かく見ていくとたくさんあるんですが、今回は代表的なものを紹介しました。

境界性パーソナリティ障害については、原因・治療などを含めて全3回くらいの記事になる予定です^-^

 

参考文献

岡田尊司(2004)『パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか』PHP新書

岡田尊司(2004) 『人格障害の時代』 平凡社新書

磯部潮(2003)『人格障害かもしれない どうして普通にできないんだろう』 光文社新書

 - パーソナリティ障害