防衛機制とは自分の心を守る方法!仕組みはどうなってるの?

記事の画像はイメージです。特定の人物を指すものではありません。

   

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今回は心理学・精神分析用語の『防衛機制』について紹介したいと思います。

防衛機制とは何なのか、防衛機制を考えた研究者について、どうやって防衛機制が起きるのか、病気との関係性についてまとめてみました。

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防衛機制とは、自分の心を守る方法

防衛機制とは、心理的に安定した状態を保つために無意識で使われる『防御ツール』のことです。

心理学・精神分析で使われる言葉でもあります。

人間はさまざまな外的ストレス、もしくは内部の葛藤から自分を守る技術を持っているんですね。

それがないと、『自分』というものを保てなくなってしまうので。

そのため、意識しなくても危機的な状況になると、心理的防御ツールである防衛機制を使っています。

 

無意識下で行われているので、いつどんな防衛機制が使われたのかは自分では完全に知ることができません。

ですが、カウンセラーによる見立てや自分自身が知識をためて、『今のはこれだったかな?』と随時気づける可能性はあります。

 

防衛機制を考えた人たち

防衛機制という概念を作った研究者たちについて簡単に紹介します。

 

草案者:ジークムント・フロイト

ジークムント・フロイト

いわずと知れた精神分析学の創始者です。

現在精神疾患の治療に使われる割合はけして高くはありませんが、『無意識』に注目して人々の心を取り扱う技法の基礎は現代でも様々な場所で受け入れられています。

ちなみに本人自身も現在でいうパニック障害のようなものに悩まされていたとか。

フロイト本人について知るなら、講談社から出ている『フロイトーその思想と生涯ー』がおすすめです^^

私もベッド脇に置いて、何度か読んでます。

 

基礎を作ったアンナ・フロイト

ジークムント・フロイトの防衛機制は『抑圧』のみだったのですが、様々な研究を通して10種類の防衛機制の形をまとめ、発表したのがアンナ・フロイトです。

名前からも予想できるかと思いますが、ジークムント・フロイトの子供の1人で、末娘(三女)です。

フロイトが娘(次女)、孫、弟子の相次ぐ死や長年の友の離反、本人の健康不良に苦しんでいた時、アンナが心理学の道に進んだことは慰めと励ましになったようです^^

父とは違い、児童の精神分析や児童の心理学を中心に研究を重ねました。

 

原始的防衛機制とメラニー・クライン

1952年のメラニークライン
画像出典:https://commons.wikimedia.org

アンナ・フロイトと同様に乳幼児や児童の精神分析のプロです。

ただ、アンナとは意見の相違があり、お互いに相手を非難したり時にはかなり激烈な論争になったことも。

そんなクラインが作ったのは『原始的防衛機制』というものです。

これは基礎的な防衛機制のことで、生後5か月程度の乳幼児でも使えます。

詳しくはまた別の記事で紹介してリンクしますので、少々お待ちを!

 

分類はジョージ・E・ヴァイラント

2014年のTEDに参加したジョージ・E・ヴァイラント
画像出典:https://commons.wikimedia.org

現在、様々な防衛機制を分類するときに用いられるのがジョージ・E・ヴァイラントの分類方法です。

防衛機制を、精神病的防衛、未熟な防衛、神経症的防衛、成熟した防衛の4種類に分類しました。

ヴァイラントはアメリカの精神科医で、統合失調症やパーソナリティ障害の研究で有名です。

現在のヴァイラントの研究は『健康な老いと幸福』テーマが多いです。

 

防衛機制はどうやって生まれるか

では次に、防衛機制が生まれる仕組みについてです。

防衛機制の目的:葛藤や不安を少なくし、心の安定を図る

防衛機制の主役:自我(ただしほとんどは超自我に命令されている)

ここで自我・超自我って何?ということをすごく簡単に紹介したいと思います。

フロイトは精神構造を3つに分けました。

超自我、自我、イド(エス)

フロイトの提唱した精神構造

イド(エス)…今すぐあれしたい!これしたい!本能のまま。心的エネルギーの源でもある

超自我…イド(エス)を律しようとする道徳的な部分。親の置き土産とも言われ、養育者の態度や教育が内在化したものでもある

自我…イド(エス)の欲求をかなえてあげるために現実的な方向に調整しつつプランを立てたり、超自我とのバランスを取ったりする

 

防衛機制が生まれるとき

自我がイド(エス)の願いをかなえてあげられないとき(自我の役割はイドの願いを叶えることなので、それができないと不安になります)

外的な危険や不安材料があると自我が判断した時

・自我がイド(エス)の欲求と超自我の検閲(あれはダメ!これはダメ!)の間での葛藤があまりにも大きいと判断した時

 

実際無意識で行われているので、今どの不安に対してどの防衛機制とどの防衛機制が用いられたぞ!ということは完全には知り得ません。

まとめると『内部・外部からの心理的圧力』がかかると、自我が超自我(親からの観念)の検閲や命令を受けながら心の安定を図るということです。

 

防衛機制と心の健康

絶望的

最後に、防衛機制は心の健康にも影響を及ぼすという問題について触れておきます。

防衛機制それ自体は、健康な人にも見られる心の働きです。

防衛機制がなかったら…

イド(エス)の欲望だらけで法も秩序もないディストピア(あるいはお縄)

超自我とイド(エス)に板挟みにされて、人格の統一性を保てず自我崩壊

とかになってしまう危険性も。

なので、防衛機制が場合に応じて適切に使われていることは良いことなんですね。

ただし、中には病的な防衛機制や病的に使われることもあります。

次回以降、どんな病気にどんな防衛機制が見られやすいのか、具体例を交えつつ紹介していきますね。

 

防衛機制は『自分の心の防御グッズ』のようなもの。

次回以降、さらに詳しく防衛機制を紹介する予定ですので、またお付き合いいただけたら嬉しいです^^

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