防衛機制の反動形成とはー好き避け・好きな子をいじめる心理ー

防衛機制の反動形成とはー好き避け・好きな子をいじめる心理ー
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防衛機制の反動形成とは、簡単に言えば『好きな子にだけいじわるしちゃう』心理のようなものです。

ここでは具体的に反動機制が起きるときにイド(エス)、超自我、自我などはどんなふうに動いているのか、具体例を交えて紹介していきたいと思います。

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反動形成とは

反動形成とは、抑圧された欲求が反対の行動や意識となって出てくることを指します。

心を守るためのツールである防衛機制の一種で、抑圧を補強するのに役立っています。

防衛機制についての概要は下記の記事を参照してみてください!

防衛機制とは自分の心を守る方法!仕組みはどうなってるの?

 

反動形成のメカニズム

反動形成のメカニズムを説明するにあたって、いつものあの画像投下しておきます!

超自我、自我、イド(エス)

フロイトが人間の心の3要素を説明したものです。

イド(エス)…今すぐあれしたいこれしたい、意識上には上がってこない

超自我…両親置き土産的倫理観

自我…イド、超自我、外界とのバランスを取っている、イドの願いをかなえる遂行者

という役割です。

 

反動形成のメカニズムでは、まず抑圧が登場します。

これは防衛機制の基本で、無意識に欲求を抑えることです。

イド(エス)が『あれしたい!これしたい!』といっても、叶えられないことは当然あります。

※イドには倫理観がないので、倫理的にNGなことを言ってきたりも…。

 

そこで、自我と超自我がそろってイド(エス)の欲求を抑圧。

ところが、抑圧されたものは、行動や感情などを通して外に出てきたがるのが問題です。

ですが、もともと外に出ないように抑圧したのですから、外に出られては大変。

 

そこで、抑圧されたものを外に出さないように、『補強材』として反動形成が出てきます。

イド(エス)の欲求と反対の傾向を意識上にあげます。

本来の欲求とは反対の行動・傾向が出る、それが反動形成です。

下の例でさらに詳しく、具体的に反動形成が起きるメカニズムを見てみましょう。

 

反動形成の具体例

好きな子をいじめてしまう

男の子と女の子

反動形成の具体例として一番わかりやすいものが『好きな子をいじめてしまう』ということ。

小学生男子にありがちなあれですね。

この時、イド(エス)は『あの子が好き!もっともっと近づきたい!』と思っています。

ですが、自我にとっては悩みを引き起こすもとにもなります。

 

例えば

・初めて体験する複雑な気持ちで、どう行動すればいいかわからない

・好きって言って嫌われたらどうしよう(イドの願いを叶えてあげられない)

という問題が生じます。

 

『この気持ちをどうしていいかわからない!』と感じた自我は、とりあえず『好き』を抑圧します。

でも、抑圧された『好き』は外に出てこようとします。

そこで、反動形成として『嫌い』を意識上・行動上にあげるんですね。

抑圧されたけど出てきそうな『好き』を『嫌い』で中和するイメージです。

 

いたずらする男の子

相手のことが嫌いなら構いもしないはずですが、出てきそうな『好き』もまだ残っています。

そこで、『構いつつも好きではないアピール』として、『いじわる』という方法がとられます。

この行動様式が小学生男子に多いのは、初恋ゆえに気持ちの処理がわからないからかもしれませんね。

 

好き避け

浜辺で考える女性

次に、好き避けという行動についてです。

こちらは、好きなのに相手を避けてしまう行動。

 

ここでもイド(エス)の『好き!』をどう扱っていいかわからない自我が、『好き』を抑圧するところからスタートです。

そして抑圧したものが出てきたがる…というところまでは同じです。

そして、抑圧したものが出てこられると困るので、補強材に反動形成を使うところも同じ。

 

ただし、反動形成の方向性が若干能動的ではないんですね。

好きなんだけど、どうしたらいいかわからないから逃げよう!という感じです。

 

慇懃無礼な態度

お辞儀をする男性

ほかには、慇懃無礼な態度にも反動形成が起きているケースがあります。

 

例えば、何かのきっかけでイド(エス)が怒りを強く感じたとします。

イド(エス)的には『大声で叫んで相手をひどい目に遭わせてやりたい』と思っています。

ですが、そんなことをしては警察沙汰に…と自我は判断。

場合によっては超自我が『いくら怒っても人をひどい目に遭わせるのはNG』と言ってくるかもしれません。

 

そこで、『ひどい目に遭わせてやろう』という欲求を、自我と超自我がタッグを組んで抑圧します。

ところが抑圧した気持ちが出てきそうになるので、今度は反動形成を使って抑圧を補強します。

あたかもその人のことが好きであるかのように、異常なほどに丁寧な物言い・態度に出るのです。

 

それがあまりにもわざとらしかったり状況的に変だと、相手から突っ込まれたりもしますが…。

でもとりあえずのところは、心のバランスを取るのに役立っています。

 

異常なほどの親孝行

親孝行

周囲から見ても、あの親御さんはちょっとな…と思っても子供は一生懸命親孝行していることもありますよね。

こんな時、もしかするとその子の中では反動形成が起きているかもしれません。

 

イド(エス)は、『もうこんな場所は嫌だ!逃げ出したい!親とは関わりたくない!』という欲望を持っています。

一方で、超自我が『親を好きでいること』を強要します。

何せ超自我は『親の置き土産』ですので、こと親に対してのイド(エス)には厳しいです。

 

時には『自我に罪悪感を持たせる』などの武器も使います。

なので、精神的・肉体的にひどい目に遭っていても

『それでも親孝行しないと悪い気がする』

という気持ちになったりするんですね。

 

そんなこんなで、『もう親のもとを逃げ出したい!』というイド(エス)の欲求は抑圧されます。

そして、抑圧されたものが出てこないように、抑圧の補強材である反動形成を使って、異常なほどの親孝行を始めます。

 

アダルトチルドレンにも見られやすい傾向ですので、注意してみてください。

アダルトチルドレンに関しては、こちらの記事で紹介しています。

アダルトチルドレン(ac)って何?その特徴やなりやすい病気は?

 

反動形成が続くと…

心身的な不調につながる可能性

反動形成を続けると、心身的な不調につながるかもしれません。

例えば、先ほどの親孝行の例。

嫌いなのにも関わらず、継続して親とかかわり、濃い関係になっていきます。

そして『もう嫌だ!』という欲望がまた生まれ、また抑圧され、また反動形成します。

反動形成すればまた親孝行をし、また『もう嫌だ!』という気持ちが生まれ…の繰り返しになります。

 

抑圧、反動形成に限らず防衛機制は心のパワーを使います。

防衛機制を継続して頻繁に、偏った使い方をすると心はやがてパワー不足に陥るのです。

その結果として抑うつ、過度な疲労感などが出てくることがあります。

 

強迫性障害とのかかわり

悩んでいる女性

反動形成は強迫性障害ともかかわっています。

強迫性障害とは『やめたいのにやめられない行為』を伴う精神疾患です。

例えば、十分にきれいだとわかっていても手を洗い続けるなどの症状があります。

私自身も強迫性障害治療中ですが、『わかってるんだけど完璧に水を飲みたい』みたいな感じで、1日の水分摂取量が半端ないですorz

 

潔癖を例にとると、イド(エス)はもともとは『不潔でいてもいいじゃん!』と欲望を出してくるんですね。

それに対して何らかの理由で、あるいは親の教えで『不潔はダメ』という抑圧がかかります。

そして、その補強としての反動形成、つまり『不潔の逆である清潔を大事にする』行動につながります。

 

強迫性障害の場合には、それに加えて『繰り返し』が主な症状です。

単に清潔を大事にするだけではなく、繰り返し繰り返し『清潔と思われる行動』をするのが特徴。

なぜ繰り返すかというと、満足感が得られないからです。

満足感が得られない背景には脳内回路の問題もあるので、こちらの記事を参照してください。

強迫行為-その時、脳内で何が起こっているのか?

 

いずれにせよ、満足感を得られなかった脳は『不潔なんじゃないか?』と再び不安になり、抑圧と反動形成を繰り返します。

そして、自分でも意味不明なほど長い時間をかける繰り返し行動が完成します。

 

 

反動形成は、自分でもそうだし周囲から見ても不自然でわざとらしいという声もあります。

無意識の行動とは言え、ナチュラルに行っているわけではなさそうですね。