演技性パーソナリティ障害(演技性人格障害)の特徴・恋愛傾向・原因を知ろう

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演技性パーソナリティ障害(演技性人格障害)は他人の関心・注目に強い執着を持つパーソナリティ障害で、B群に分類されています。

今回は演技性パーソナリティ障害(演技性人格障害)の割合、特徴、原因を見ていきます。

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疫学・割合・男女差

演技性パーソナリティ障害の割合は人口の2-3%程度[1]男性よりは女性に多いと言われています。

同じB群のパーソナリティ障害では自己愛性パーソナリティ障害が男性に多く、境界性パーソナリティ障害は女性に多いです。

 

特徴は?

関心や注目に対する執着

演技性パーソナリティ障害の方の最大の特徴は『とにかく関心・注目を向けてほしい』というところにあります。

誰かに注目されること、誰かの関心を受けることでしか自分の価値を感じられないのです。

演技性パーソナリティ障害のあらゆる特徴の源泉ともなっているのが関心・注目への執着の高さです。

 

外交的

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関心や注目を集めるためには人がいないといけません。

演技性パーソナリティ障害の方は人と交わることに恐怖を覚えたりはせず、華やかで外交的な雰囲気を持っています。

外交性の高さは良い面でも働きます。

 

暗示にかかりやすい

演技性パーソナリティ障害の方にとって『自分』とは限りなく薄い膜のようなものです。

それだけに、他人の影響をダイレクトに受けてしまいます

 

注目を集めるための行動

注目・関心は誰もが簡単に手に入れられるものではありません。

特に演技性パーソナリティ障害の方が望むような『注目を一身に集める』ことをゴールにするためには、何らかの行動が必要です。

演技性パーソナリティ障害の方がよく使う代表的な4つの行動を見てみましょう。

これらすべてが必ず現れるわけではなく、人によって現れ方は異なります。

 

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以前、虚言癖についての記事を書いたときにもパーソナリティ障害との関連性を紹介しました。

もっとも嘘と密接しているパーソナリティ障害が、演技性パーソナリティ障害です。

嘘の種類はさまざまですが、外見やステータスに関する嘘がよく見られます。

例えば出生の秘密(名家の出など)、学歴などです。

嘘で周囲の注目を集めるのが目的ですので、内容は突飛でより耳目を引きやすいなものになるケースも。

犯罪に遭ったという嘘などはその典型例です。

 

派手なリアクション、言葉遣い

派手なリアクション、言葉遣いはどこか目立つというか、華がある雰囲気を感じさせますよね。

演技性パーソナリティ障害の方はそこのところを無意識的に理解していて、自然と派手なリアクションを取る傾向にあります。

一般的にはあまり使われない芝居めいた言葉も、自然な流れで使っているといった感じです。

 

性的な挑発・誘惑

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演技性パーソナリティ障害の方は『他人の注目』を重視しますが、他人の注目を簡単に集める手段として性的な魅力が使われることもあります。

パーソナリティ障害の特徴が見られ始める思春期、青年期には多くの方が性的なものに興味を示します。

そこをうまく利用して相手を挑発したり誘惑したりするのは、演技性パーソナリティ障害の方に見られやすい特徴です。

 

身体化症状(障害)

ここまで紹介した方法も演技性パーソナリティ障害の方にとって目的を自覚してやっていることではありません。

ですがもっとも自覚がないのが身体化症状です。

注目を集めるために無意識のうちに体の調子を崩すのが特徴です。

痛みのある演技をしているわけではなく、本人は本当に痛み・苦しみを感じています

 

恋愛・結婚傾向は?

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演技性パーソナリティ障害の方は人の注目を集めるのが好きで外交的なので、恋愛経験が豊富な方も多いです。

ただし、恋愛の期間は短く相手とじっくり向き合うことは少なめ。

というのも恋愛をしていると最初はドキドキしても、徐々に落ち着いてきてしまいますよね。

演技性パーソナリティ障害の方は『人の注目、相手が自分に夢中な状況』というある種の刺激を求めています。

最初のドキドキが落ち着くとこの刺激も減るので、次の刺激を求めて今のパートナーとは別れを選んだりするのです。

 

結婚については、マンネリ化した恋愛よりも更に刺激はありません。

家族としての安心感や一体感といった部分は、演技性パーソナリティ障害の方にとっては興味のないものです。

相手を魅了するという刺激が欲しいのに手に入れられないことから結婚生活が破たんしたり、続いていても満たされない感じを覚えます。

 

長所・すごいところ

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演技性パーソナリティ障害の長所は、表現力が豊かであることです。

どうあっても他人の注目を集めたい、人目を引きたいというハングリーな思いは、使い方によっては最強のパワーにもなります。

例えば俳優・女優になったとすれば舞台の上で役に没頭できる魅力になるのです。

そうでなくともプレゼンテーションや講演会など、スポットライトを浴びる場面での自分をアピールする能力の高さとなります。

『自分』を限りなく薄くして、与えられた役の深みを出していくことは、演技性パーソナリティ障害の方にとって難しいことではありません。

 

原因は?

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演技性パーソナリティ障害の原因について、正確にはわかっていません。

よく言われる2つの説をここでは紹介します。

2つの説が別々にあるのではなく、延長線上や両方の特性を持つ生育環境というケースももちろん考えられます。

 

演技的な振る舞いで何かを克服した過去

1つ目は、子供のころに『演技的な振る舞いで何かを克服した過去』を持っているということです。

演技性パーソナリティ障害も含めて、B群のパーソナリティ障害の根底には『愛情飢餓』があるとされています。

愛情に飢えているため自己価値が低く、自分に自信を持ったり自分を受け入れたりするのが苦手です。

 

愛情飢餓を埋め合わせるための方法として『演技』を使ったことが演技性パーソナリティ障害の原因になっている可能性があります。

例えば親の望むような子、人気者、周囲の注目を引く目立つ人物などを演じることで、無価値な自分を忘れたり、価値ある自分に作り替えられます。

そのパターンを小さいころに何度も体験すると、大人になってもそのパターンに基づいた行動を続けます。

 

両親の性的な存在としての露出

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もう1つ、精神科医の岡田尊司さんが述べているのが『両親が性的な対象として露出した経験』です。

例えば両親のどちらかが不倫をしていることが発覚するなどは、子供にとって親を性的な存在として認識するには十分すぎるほどの体験です。

もちろんそればかりではありません。

岡田尊司さんの著書には、父親の再婚によって親の性的な面を意識させられたマドンナ(歌手)の話が紹介されていました。

詳しくは参考文献に紹介している『人格障害の時代』を読むとわかりやすいのでおすすめです!

 

参考文献・サイト

[1]Histrionic personality disorder|Encyclopedia of Mental Disorders

岡田尊司(2004)『パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか』PHP新書

岡田尊司(2004) 『人格障害の時代』 平凡社新書

磯部潮(2003)『人格障害かもしれない どうして普通にできないんだろう』 光文社新書

 - パーソナリティ障害