慢性疼痛、うつ病治療への期待大!FKBP51の研究について

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      2017/05/26

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ストレスや精神疾患も含めて、心の病気は『心』だけで完結するものではありません。

心の病気には体が関係していること、そして最近では脳や特定の遺伝子、物質などの影響も研究されています。

今回紹介するのは『FKBP51』というタンパク質についてです。

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FKBP51を減らしてうつ病治療!?

2011年にアメリカ・南フロリダ大学他3研究所が行ったFKBP51についての研究で、『抑うつ耐性のあるマウス』の作成に成功しました。

FKBP51は抑うつ気分や不安状態で見られるタンパク質で、遺伝子のバリエーションや変形によってうつ病やPTSDのリスク増加にも関連しています。

そこで、このマウスは意図的にFKBP51を減らして抑うつ気分を減らそうという試みで作られました。

結果的に、FKBP51が減ったことでうつ耐性は出来ましたが、記憶能力、学習能力、運動機能への影響はありませんでした。

このことから、うつ病治療薬の開発に『タンパク質FKBP51を減らす』ことが役立つのではないかということがわかり、研究がつづけられています。

 

慢性疼痛治療へのFKBP51の可能性

こちらは2016年に公開された実験で、イギリスのUCLの研究者たちがマウスの遺伝子操作によってFKBP51を減らし、慢性疼痛への影響を見ました。

結果的に、関節炎などの慢性疼痛に対して効果があることがわかり、一方で一般的な怪我などに対する痛みの感受性が鈍ったりもしなかったのです。

つまり、すべての痛みをブロックしているわけではなく慢性疼痛をブロックしているということがわかりました。

これによって、FKBP51での慢性疼痛治療薬の可能性も出てきました。

今後は更に研究が進められ、実験・治験のステップを踏んで実用化が図られていく見通しです。

 

慢性疼痛と精神的影響

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慢性疼痛については、精神的影響の大きさが心配される病気
としても知られています。

自分の体が毎日毎日痛み続けたら、そして痛みのせいで社会生活を送れなくなることがどんどん増えたら、それは大きなストレスになります。

疼痛のストレス、社会的に受けた被害のストレスによってうつになるケースもあり、うつ病と慢性疼痛の両方の治療を受けている患者さんも少なくはありません。

ちなみに慢性疼痛は全人口の14-23%程度いると言われ、日本の人口を1億2000万と考えると少なくとも1680万人以上の患者がいる計算となります。

ちなみに慢性疼痛とうつ病は併発しやすいですし、慢性疼痛の治療に抗うつ薬を使うこともしばしばあります。

なので、結果的には同じ薬でうつ病と慢性疼痛の治療をすることも考えられます。

参考URL:http://www.medicalnewstoday.com/articles/306359.php

 - メンタル関係の研究結果