起立性調節障害の治療-薬、漢方薬の種類と効果、入院治療編-

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      2017/05/26

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朝起きるのが非常に難しい起立性調節障害。

どちらかといえば若い人に多い病気ですが、大人もかかることがあります。

今回は起立性調節障害の病院での治療方法、漢方、何科にかかればよいかなどを総合的に紹介していきます。

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起立性調節障害の治療法まとめ

まず先に起立性調節障害の治療法をまとめます。

起立性調節障害の治療の基本となるのは『身体的なアプローチ』です。

この身体的なアプローチには薬物療法と非薬物療法があり、名前の通り薬物療法では西洋医学の薬や漢方を使って治療します。

非薬物療法は生活や食事の改善、血液貯留を防ぐための着圧ソックスの使用、整体などが含まれます。

また、ケースにおいては『精神的なアプローチ』が用いられることもあり、こちらも薬物療法と非薬物療法に分かれています。

薬物療法は精神安定剤や抗うつ薬などの使用、非薬物療法は疾病教育やカウンセリングなどです。

起立性調節障害の治療は子どもでも大人でも変わりはありません。

 

起立性調節障害は何科に受診?(子供・大人)

起立性調節障害,OD,治し方,子供,中学生,大人,治療,治療法,治療方法,病院,何科,科現状で起立性調節障害の専門と言われているのは小児科です。

なので学生であれば小児科にかかるのが適切と言えるでしょう。

高校生になると小児科に行くのはちょっと恥ずかしいかもしれませんが、起立性調節障害の疑いが強いなら高校生でも小児科をおすすめします。

大人の場合は内科がおすすめです。

心理的な側面が強い場合は別途精神科等で治療することもありますので、できれば総合病院で内科も精神科もあるところがおすすめです。

また、場所によっては起立性調節障害の専門外来がありますので子供・大人ともに専門外来を選ぶ方法もあります。

 

起立性調節障害の薬の種類や効果

起立性調節障害と薬に関して、種類や効果、副作用を簡単にまとめてみました。

 

薬物療法は第一選択ではない

起立性調節障害,OD,治療薬,薬,種類,作用,メトリジン,副作用,効果,ジヒデルゴット起立性調節障害の治療では、多くの病院で薬物療法を第一選択とはしません

まずは生活の改善、栄養の改善、疾病教育などを行ったうえでどうしてもそれだけでは起立性調節障害の症状が消えない場合などに用います。

ケースによって多少の違いはありますが、個人的にはいきなり薬物療法を勧める病院はあまりおすすめしません。

 

メトロジン、メトリジンD錠

起立性調節障害の薬物治療ではもっともメジャーな薬です。

交感神経系を刺激することで血圧を上げる作用があり、普通は1回2mgを1日2回服用します。

副作用が少ない薬ですが、場合によっては発汗や吐き気、頭痛、動悸などが起きることも。

頭痛がひどいときは頭部を高くして寝ることである程度副作用が抑えられるので試してみましょう。

 

ジヒデルゴット

血管を緊張させて血圧が下がるのを防ぐ薬です。

起立性調節障害だけではなく片頭痛の治療に使われることもあります。

副作用はこちらもあまりない方ですが、食欲不振や発疹、吐き気などが考えられます。

また、滅多にないものの胸膜や心臓弁の線維症の副作用も報告されているのでひどい胸の痛みを感じた時は病院に相談を。

 

リズミック

起立性調節障害,OD,リズミック,作用,効果,薬が効かない,効果,種類交感神経系を刺激するアドレナリンを増やす薬です。

メトロジン、メトリジンD錠などで効果が出にくい人に用いますが、メトロジンに比べると副作用が出やすいのがデメリット。

主な副作用は吐き気やほてり、頻脈、動悸です。

 

インデラル

起立性調節障害の中でも、血圧低下のないタイプで用いられる治療薬です。

起立時の頻脈を防ぐ薬で、上記の薬とは違ってこの薬だけは交感神経の働きを抑えるのが特徴です。

頻脈を防いだ結果、徐脈(脈がゆっくりになりすぎる)の症状が出ることもあるので息苦しさを感じた場合は薬をいったん中止して病院へ相談してください。

 

薬が効かないことはあるの?

どの薬に関してもよく効く人と効かない人がいます。

体質もありますが、心理的な問題が大きいケースだと薬が効きにくいと言われています。

例えば学校や会社でのトラブルなどで精神的に追い詰められていて、心の表現として起立性調節障害の症状が出ている場合などです。

このようなときは抗うつ薬や抗不安薬に頼るよりも、環境を変えたり認知の歪みを変えるのがおすすめです。

10の認知の歪みについて

 

起立性調節障害の漢方治療

起立性調節障害,漢方,漢方薬,治療,ツムラ,効果,種類,入院起立性調節障害は東洋医学的な側面から見てみると、『気の不足』と『血の不足』、『水分代謝の悪さ』が関わっていると考えられています。

そのため漢方治療では気や血を補う処方になるケースが多め。

特に消化器系が弱い人が多いため、消化器の力を高めてくれる白朮や人参を含む漢方薬をベースに、半夏、柴胡などを加えていきます。

立ちくらみで目の前が真っ暗になってしまう場合は『苓桂朮甘湯』が、起立性調節障害でなおかつ消化器系が弱く虚弱体質ならば『半夏白朮天麻湯』が処方されることが多め。

痩せていて疲れやすく、顔色が白っぽい人には『連珠飲』や『十全大補湯』がおすすめです。

どの漢方についても詳しい体質は漢方薬局や漢方医院で診てもらうとより自分やお子さんにあった漢方を手に入れられます。

 

起立性調節障害で入院することはあるの?

病院での治療といえば入院も含まれますが、起立性調節障害にも入院治療があります。

まず1つは検査入院。

これは長くても2-3日で終わる入院で、実際に起きるときの血圧や体の状態を見る、そのほかの病気の可能性を調べるなどの目的です。

もう1つは治療のための入院。

こちらは長ければ数か月に及ぶこともあり、重篤な患者さんの場合は寝たきりに近い状態になることも。

生活リズムの改善、運動習慣を取り入れるなどの治療の他、必要に応じて薬での治療もおこなわれます。

また、吐き気やめまいがひどくて食べられない場合は脱水にならないようにそちらのケアも行われます。

学生さんで長期の休みの時に入院して新学期に備えるケースもあります。

 

起立性調節障害の治療期間は?

起立性調節障害,OD,治療,期間,治る時期軽症の起立性調節障害については大体数か月、1年後には50%が軽快していると言われています。

また、自律神経系が発達するにつれて症状が落ち着く子も多く、高校2-3年生になると自然に起立性調節障害の症状が治まるケースも少なくはありません。

一方で、重篤な症状だったり高ストレス下の環境にいたりすると、数年の治療期間を必要とするケースもあります。

なかなか起立性調節障害が治らないことで進学や就職が難しくなり、さらにストレスを抱えてしまうという悪循環を起こす可能性もゼロではないので、少しでも早いうちに起立性調節障害を見つけてさまざまな治療法を試していくことが肝要です。

 

piyoko5起立性調節障害の方のブログなどを読んでいると、勉強についていけなくなった、学校に行けなくなった…などの話がよく出てきました。

そういった子供たちへの社会的な援助システムも必要だなと考えさせられます…。

次回は起立性調節障害のお子さんを持つ方や起立性調節障害の大人の方に向けた生活療法のお話です。

 - 眠りの問題, 起立性調節障害