強迫行為-その時、脳内で何が起こっているのか?

記事の画像はイメージです。特定の人物を指すものではありません。

      2017/08/20

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こんにちは、はなみです。

普段は内容を作ってから最後に題名を書くんですが、今回は急にワールドビジネスサテライトの音楽とともに題名が出てきたので採用w

強迫性障害の患者が強迫行為をするとき、脳内でどんなことが起きているの?を簡単に説明&脳を鍛える方法を紹介します。

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強迫行為って?

まずは簡単に強迫性障害の強迫行為について説明します。

1つ1つの症状については強迫性障害のカテゴリを参照してください。

強迫行為とは意志とは無関係の不快な観念(強迫観念)を打ち消すための行動です。

例えば何度も水を飲んだり、何度も手を洗ったり、何度も部屋の掃除をしたり、何度も施錠を確認したり…といった行為。

ポイントはちゃんと鍵をかけたと確認してもまだ不安が取れない(どころか増大する)と感じてしまうことにあります。

 

強迫行為中の脳の状態は?

今回のお話は医学博士の高田明和氏の著書『ウツな気分が消える本』の内容の一部をまとめています。

では、さっそく強迫行為で不快な気持ちが静まらない理由やなぜ強迫行為を繰り返すのかを見ていきましょう。

強迫行為と不安については、以下の3ステップで説明できます。

 

強迫行為と脳のプロセス1.眼窩前頭皮質のバグ

脳と強迫性障害について-眼窩前頭皮質
画像出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Orbitofrontal_cortex

画像の部分、脳の前の方に眼窩前頭皮質と呼ばれる場所があります。

ここは意思決定や期待に関連しているのですが、強迫性障害の患者はこの眼窩前頭皮質での判断が曖昧なのです。

一例として手を洗い続ける場合は『きれいだ』の判断が、確認強迫なら『鍵をかけた』の判断が変ということです。

きれいかもしれないしきれいじゃないかもしれないし…おかしいぞという内容を、次に説明する線条体という場所に送ってしまいます。

 

強迫行為と脳のプロセス2.線条体が困る

脳とOCD、強迫行為-線条体の働き
画像出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Striatum

画像の部分、線条体は運動機能や意思決定とかかわっている場所です。

例えば暗いから文字が見えにくいぞという情報が伝わると、手の筋肉を動かして電気をつけるスイッチを入れに脳内に情報が行き渡ります。

ところが強迫行為中は『きれいかもしれないしきれいじゃないかもしれないし、おかしいぞ』という情報が来ます。

目に見えるもの、耳から聞こえるものを眼窩前頭皮質が正しく判断してくれないので、線条体は困ってしまいます。

結果的に困った線条体と脳の奥は『わからないからもう1回確認しよう』となります。

眼窩前頭皮質が起こしたバグをそのまま受け取って、何度も引き起こされる確認儀式に時間が費やされる、という強迫性障害の代表的な症状になります。

 

強迫行為と脳のプロセス3.帯状回がさらに確認を促進

帯状回と不安、強迫性障害
画像出典:https://pt.wikipedia.org/wiki/Giro_do_c%C3%ADngulo

最後に、強迫行為中の不安とかかわってくるのが上の画像の黄色い部分にある帯状回と呼ばれる場所です。

ここは学習と記憶や、呼吸器系にも関わっていますが感情の形成・処理にも関わっています。

ここまでの1-2のプロセスは『変』で『おかしい』脳の状態だと脳自身もわかっていて、結果として帯状回の活動量が増え、不安を感じるようになります。

不安で混乱した状態に陥ると、ますます確認行為を繰り返してしまうのです。

参考:高田明和-ウツな気分が消える本

 

認知行動療法で前頭前野と帯状回にアプローチ

認知行動療法の脳への影響、前頭前野
強迫性障害ではなくパニック障害の方ですが、認知行動療法で脳がどのように変化するかの研究結果があります。

まずは、最初の判断を間違う眼窩前頭皮質が含まれる前頭前野については活性化するとの結果があり、これによって正しい判断につながる可能性があります。次に、不安によって確認をさらに繰り返させる帯状回は、活動量が低下します。

研究者は、帯状回のなかでも感情に関わる部位の活動量が低下しているのではと予測しています。

参考:「画像研究・神経解剖学的仮説」熊野宏昭(「パニック障害」最新医学社、竹内龍雄編集)

 

薬物療法でフィルターのズレが気にならなくなる

では、強迫性障害の主要な治療である薬物療法は?となると、主な効果は眼窩前頭皮質のバグが気にならなくなるということです。

例えばSSRI(デプロメールなど)を使うと、脳内のセロトニンの濃度が高まって安心感を得られます。

そのため、最初にバグが起きて間違った情報が伝わっても帯状回が不安を作らず、バグはあるけど気にならない状態になるのです。

 

眼窩前頭皮質を鍛えるには?

もともとのバグの原因になってしまう眼窩前頭皮質。

このバグを少しでも良くするためのいくつかのTipsを紹介していきます。

 

違う価値観を持つ人とコミュニケーションを取る

強迫性障害、脳を鍛える
普段付き合っている人とは違うタイプ、自分とはまったく違う職業の人とコミュニケーション
を取ってみましょう。

数日に一度でもこういったことをすると眼窩前頭皮質が鍛えられます。

 

日常の中でモードチェンジをする

こちらは脳科学者の茂木健一郎さんがすすめる方法。

自分のなかでパッと気持ちを切り替えられる何らかの行動を見つけて、それを日常の中で行うことで脳のモードを意識的に変える訓練です。

強迫行為と関わりのない『チェンジ用の習慣』を探してみましょう。

茂木さんは散歩をする、仮眠を取るなどを具体的な方法として紹介していました。

 

後悔する(後悔した人の話を見聞きする)

強迫性障害、脳を鍛える後悔
人間性脳科学研究所の澤口俊之さんが2010年の『たけしのニッポンのミカタ』で紹介していた方法。

実は眼窩前頭皮質は後悔によっても活性化することがわかっているとのこと。

個人的に自己嫌悪や自己卑下が激しい人にはこの方法はおすすめしません。

 

瞑想

瞑想実践者の脳は瞑想を実践していない人の脳に比べると右の海馬や眼窩前頭皮質が拡大していたことがわかっています。

また、セロトニン神経も鍛えられるので瞑想はおすすめの方法です。

簡単にできるマインドフルネス瞑想のやり方まとめ

マインドフルネス瞑想/療法ってどんなもの?どんな効果が得られるの?

参考:生田哲著-よみがえる脳 脳は環境の変化に対応し、何歳になっても、絶えず変わりつづける

 

hanaminangoku以上、強迫行為-その時、脳内で何が起こっているのか?でした。

もっと単純に強迫行為中に『これバグ!脳のバグ!脳が変!脳がおかしいだけ!』って思うのもありかもしれませんね。

 - 不安障害・気分障害