わかりやすい『共依存』の話-どうしてあの人から離れられないのか-

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      2017/01/19

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依存にはアルコール依存やニコチン依存などさまざまなものがありますが、今回は『関係への依存』である共依存についてです。

共依存とはどんなものか、DVやアルコール依存症との関係、チェックリストなどわかりやすく共依存について知っていきましょう。


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共依存とは?

共依存という言葉が生まれた背景には『アルコール依存症』があります。

アルコール依存症の患者さんの家族には、患者さんの世話をすることに自分の価値を見出していて、そのためにわざとアルコール依存症の治療を拒否するケースがあります。

現在ではアルコール依存症だけではなく、さまざまなケースで『特定の人間関係にとらわれている』ことを指しています。

 

共依存と相互依存って?

『依存』とはそもそも『人や物に愛情、支持、保護などを求めること』で、共依存も依存の一種です。

ですので共依存と依存の違いは?と言ったら、依存の方が共依存より大きなカテゴリーにいるという違いだけです。

一方で、共依存とはまったく違った形の依存が『相互依存』です。

共依存は『相手(か依存するべきもの)がいない(ない)とダメな人』同士の関係ですが、相互依存は『自立している人』同士の関係性です。

相手に愛情や支持を求めることは相互依存にもありますが、自分の足で立っているのでそこに共依存ほどの強い不足感や欲求はありません。

また、相互依存ではどちらも依存する方・される方になり得ますが、共依存では役割が固定されがちです。

 

 

共依存になってしまう原因は?

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共依存の原因が脳のどの部分にある、体の部分にあるといったようにすべてはっきりとしたわけではありません。

ですが幼少期からの人間関係においてどんな役割をしてきたのか、無意識下で自分にどのような価値を与えているのかは共依存と大きくかかわっている原因の1つと言われます。

また、両親に限らず周囲の人間関係の問題で自尊心・自己受容能力を失ってしまうと『他人に必要とされることこそが価値』と思いこんでしまいます。

 

脳という面から見ると、あらゆる依存症には『気持ち良い』と感じた時に出るドーパミンがかかわっていると言われています。

共依存で言えば『相手に必要とされている自分の価値』を感じたときにドーパミンが分泌されたり、脳内の機序が乱れてドーパミンが多く出ていると判断したりするのです。

そのため、共依存状態を離れると、ドーパミンを求めて、強烈に『あの関係に戻りたい』と思う揺り戻しも起こり得ます。

 

共依存になりやすい人

アルコール依存や買い物依存などの依存者のパートナーに、そして共依存の関係を作り出しやすい人の特徴をいくつか紹介します。

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・甘やかしと愛情の違いがよくわからない

・人間関係で相手の問題を自分の問題としてとらえてしまう

・白黒思考、完璧主義

・相手に必要とされるなら自分の意見をすべて変えてもかまわない

自分の中の決め事が多い

・自分で自分を信じることができない

 

これらの特徴は共依存関係に陥りやすい人だけに当てはまるものではなく、うつ病や不安障害、パーソナリティ障害になりやすい人にも当てはまります。

 

共依存をチェック!

ここで、簡単に共依存に陥っていないかをチェックしてみましょう。

複数のサイトを紹介しますので、参考にしてみてください。

「不幸な恋愛」危険度チェック

恵比寿メンタルカウンセリング 共依存チェック

四戸智昭嗜癖行動学研究室 共依存スクリーニングテスト

西尾リプロセス協会 共依存チェックリスト

 

アルコール依存症と共依存

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では、嗜癖行動や問題行動と共依存の関係について具体的に見ていきます。

例えばアルコール依存症の夫と共依存関係に陥っている妻がいるとします。

もしも共依存でなければ、夫が外でアルコールによって迷惑をかけてきたならそれは夫の責任として扱い、妻は不必要に責任を被ることはありません。

 

ですが共依存の場合、夫の尻拭いはすべて妻がして、おまけに妻の方が『自分がダメだから夫はお酒を飲むのだろうか…』と考えたりまでします。

同時に、妻の頭の中は常に夫のアルコール問題のことでいっぱいです。

口ではこんな人さえいなければ、離婚してしまえばいいのではないかと言っても、この妻は『妻がいなければダメな夫』と一緒にいないと自分の価値を認められない状態です。

ですので周囲が手助けをしようと思ってもなかなか応じなかったり、すでに諦めているかのように告げて手助けを拒んだりします。

DVやモラハラのケースでも、関係性に苦しみながらも『やっぱりこの人は私がいないとダメなんだ』といった依存状態が見られます。

ドラマなどでも、配偶者からのDV・モラハラに悩みつつ、結局配偶者のところに戻っていく人が描かれたりしますよね。

 

親子の共依存

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共依存は夫婦や恋愛関係にあるカップルだけではなく親子にも見られます。

子供は生まれてからしばらくは親なしには生きていけないので、必然的に依存せざるを得ないのですが、本来はやがて独立し1人の人間として生きていきます。

ところが親が『子供に依存されている状態』を望んだ場合は、子供は親に依存するようになり、親は『親に依存せずにはいられない子供』に依存するという構図が出来上がります。

ただ、多くの子供は学校へ行き、社会を知り、自立する選択肢を知ります。

すると親の方ではあの手この手で自立を阻み、どうにか子供を『依存状態』に置いておきたがるのです。

子供が自立せず問題を起こし、その問題を片づける自分でいたいケースもあります。

 

そのため、子供の方からすると『重たい親・毒親』になってしまう可能性も十分考えられます。

この辺りは信田さよ子さんの著書でわかりやすく読めるので、ぜひ一度読んでみてください。

 

また、親がそもそも何らかの依存者で、子供を共依存に仕立てあげてしまうケースももちろんあります。

アルコール依存症の親でも買い物依存症の親でも、『依存すること』で頭がいっぱいの親は子供と共依存関係に陥ります。

小さいころから親の不出来の後始末をする、親の親代わりになって食事や生活の面倒を見てやるといった、親にとっては都合の良い子供、でも楽しさや喜びを受け取れない子供が出来上がるのです。

そういう子にとっては共依存が当たり前の人間関係ですので、大人になってからも無意識で共依存になれそうなパートナーを選ぶようになります。

 

共依存の原因となる『幼児期の自己認識』がそもそも、依存・共依存の嗜癖を持つ親によって植えつけられていくことも少なくはありません。

共依存は世代を超えて引き継がれる危険性が非常に高いものと考えてください。

共依存の親も含めて、対立や不法行為や問題が常に緊張状態を生む『機能不全家庭(家族)』についても以前書きましたので、そちらも参考にしてみてください。

機能不全家族(家庭)の特徴、acとの関係、毒親って?割合や連鎖は?

 

まとめ

ここまで、共依存の原因や共依存関係とは何かを紹介しましたがやや長くなってしまったので簡単にまとめます。

 

・共依存とは…自立していない人間同士による、人間関係に依存し離れたくても離れられない状態

・共依存の原因…幼少期の体験を元にした認知の歪み、自己受容感の低さなどが大きくかかわっている

・共依存になる関係性…夫婦、カップル、親子、友人など

・共依存の問題…依存者の問題の解決に役立たず、むしろ依存者の問題を悪化させる、共依存者のメンタルヘルスの問題

 

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