薬が効かない病気?妄想性障害とは-妄想の種類や治療、接し方を解説

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      2017/07/17

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妄想とは道理に叶っていない、なおかつ訂正することができない思いこみです。

妄想を伴う精神疾患にはうつ病や双極性障害などがありますが、妄想性障害もその1つ。

妄想性障害とはいったいどんな病気でどんな治療をするのか、妄想性障害の患者との接し方のポイントなどを簡単に紹介していきます。

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妄想性障害とは

妄想性障害とは、1か月以上にわたってある特定の妄想が症状として出ている病気で、生涯有病率は0.2%と精神疾患の中でもまれな病気です。

妄想以外の他の症状はほとんど現れることはなく、本人に病識がないためなかなか治療が始まらない、通院を続けられないといった問題もあります。

妄想性障害に見られる妄想は代表的に5種類あります。

この5種類が混じり合う混合型、どこにも当てはまらない特定不能型を入れて全7種類と数えます。

 

被愛型

自分はある人物に愛されているという思いこみのことです。

どちらかと言えば女性に多くみられる妄想で、相手は芸能人や政治家、文化人などが多いようです。

この被愛型妄想が単体で出ているタイプの妄想性障害はエロトマニアあるいはクレランボー症候群とも呼ばれます。

危険なのは、行き過ぎた妄想がストーカー行為につながることです。

 

嫉妬型

嫉妬というと身近な友達に関するものや仕事での評価なども含まれますが、嫉妬妄想の場合基本的には『パートナーの浮気を疑う』ことを指しています。

ちょっと連絡が取れなかっただけで、今浮気をしているに違いない!という思いこみに囚われてしまうのです。

ただしパートナーを自分の所に引き留めたいからこそそのような気持ちに悩まされるので、自分から別れを切り出したりといった行動化は多くはありません。

行動化で見られるのはより激しい束縛、パートナーへの感情の爆発、ひいては事件になることもあります。

 

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誇大型

自分を過剰に評価するタイプの妄想で、高い地位を持っている、財産を持っている、高い能力で評価されている、出生の秘密がある(高貴な血筋など)といった内容です。

双極性障害の躁状態のときや統合失調症でも見られやすい妄想です。

語られる地位や能力は実際より少し上といった程度ではなく、到底今の状況からは想像し得ないほど高かったり、世界トップクラスを走っているなどスケールの大きさが特徴と言えるでしょう。

 

被害型

誰かにひどい嫌がらせを受けている、嫌われている、命を狙われているといった妄想で、軽度のものであれば健康人にも見られます。

特に思春期は多くの子が精神的に敏感なため、ちょっとの悪意にも反応しやすいという意味では被害妄想的と言えるでしょう。

妄想性障害以外にうつ病、PTSD、統合失調症などでも被害妄想の症状が現れることがあります。

行動化して問題になるのは行政への訴えや仕返しという名の暴力

嫉妬型と同じように感情が爆発して、人を傷つけてしまう恐れがあります。

また、妄想性障害はどちらかと言えば日常生活に影響が少ないのですが、被害妄想が深刻になると職場や友人関係が壊れます。

 

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身体型

自分の体が異常だという思いこみです。何かの病気に感染している、臭い、醜い、不自由があるなど妄想の中身は様々です。

ただ、自分の体に極端に意識が向く病気には身体醜形障害(醜形恐怖)がありますので、専門家がしっかりと診察して区別をつけなければなりません。

臭い・醜いと感じている場合は、異常なほど自分の身体に気を配ったり、社会生活を避ける危険性もあります。

 

妄想性障害とほかの病気の違い

妄想性障害に似た病気に統合失調症、妄想性パーソナリティ障害があります。

この2つの病気と妄想性障害の違いを簡単に説明します。

 

統合失調症との違い

統合失調症の場合は妄想だけではなく幻覚、思考の激しい混乱、意欲の欠如、感情が乏しくなる、身体のひどい倦怠感、感覚過敏といったさまざまな症状が出ます。

妄想性障害ではこのような心身のあらゆる症状は見られないため、統合失調症の患者さんとは違って日常生活を平然と送っている場合もあるのです。

また、妄想の面では統合失調症の方が現実とかけ離れた突拍子もない妄想が出やすいと言われています。

まとめると以下のような違いがあります。

もちろんすべてのケースに当てはまるわけではないので参考として考えてくださいね!

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妄想性パーソナリティ障害との違い

妄想性障害と妄想性パーソナリティ障害、名前はすごく似ていますが違いもあります。

妄想性障害には器質性のものが含まれますが、妄想性パーソナリティ障害は思考の積み重ねの結果ですので器質性のものは含まれていません。

また、妄想性パーソナリティ障害の場合は妄想の内容が嫉妬型や被害型、誇大型になることが多いようです。

ちょっとしたことからいじめられている、阻害されていると感じて過度に攻撃的になったり、自分の力を示すために自分に対する過剰な評価や賞賛を妄想して作り上げます。

独裁者には妄想性パーソナリティ障害が多いとされ、ヨシフ・スターリンやアドルフ・ヒトラーのいくつかのエピソードは妄想性パーソナリティ障害の特徴そのままだとの話も。

ちなみに妄想性パーソナリティ障害は精神鑑定の際に責任能力が認められるケースが一般的ですが、妄想性障害の方は確実に責任能力が認められるとは言えません。

 

・妄想性障害には器質性が含まれる

・妄想性障害の方が妄想がより長く続く

・妄想性パーソナリティ障害はほぼ確実に責任能力があるとされる

 

妄想性障害の原因

妄想性障害,薬,原因,治療,入院妄想性障害の原因は器質性とそれ以外に分かれています。

器質性とは脳の一部が損傷したり脳の病気によって起きるもので、例えば大事故に遭った後、急に性格や振る舞いが変わった時には器質性の精神疾患にかかった可能性が考えられます。

それ以外の妄想性障害については、今一つはっきりとした原因がつかめていない状態です。

 

妄想性障害の治療と薬

器質性の妄想性障害の場合は、まず元となった病気を治療することが優先されます。例えば脳腫瘍の場合などです。

一方で原因不明の妄想性障害の場合は、そもそも治療に至るまでが大変です。

本人は妄想を異常と思っていないですし、周囲は困っていても本人は困っていないことが多いので、治療に積極的になれない方が多いのです。

また、薬が効きにくいのも妄想性障害の1つの特徴ですが、ケースによって薬が必要となれば統合失調症と同種の薬が処方されます。

全体的な治療としては妄想によって大事を引き起こさないように環境を調整しながら、妄想ではないものに目を向けさせるような工夫を行って治療とします。

 

・妄想性障害には薬やカウンセリングが効きにくい

・環境調整と妄想以外に興味を持たせる治療

・妄想性障害の患者は率先して治療に取り組むことがあまりない

 

妄想性障害の患者への接し方

妄想性障害,家族,接し方,妄想妄想性障害、そして妄想性パーソナリティ障害の方はとても疑り深く、警戒心も非常に強いタイプと言われています。

ですのでうかつに妄想を否定すると妄想性障害の方は猜疑心を深め、攻撃性に転化するとあなたの身が危険にさらされます。

かといって肯定すると今度は妄想にずっとつき合わされたり、パーソナリティ障害の場合は過度な寄りかかりの対象になる、つまり相手に依存される確率が高まります。

なので、妄想性障害や妄想性パーソナリティ障害の方と付き合うのは、すごくすごくすごく大変だということを肝に銘じておきましょう。

 

自分で相手との関係性や距離感を選べるなら、いい人だなと思ってもある程度距離を取って慎重に付き合うことを私はおすすめします。

家族やパートナーで既に距離感が縮まっている場合、答えは1人1人のケースの中で判断していかなければいけません。

それくらい、妄想性障害や妄想性パーソナリティ障害の方との付き合いは慎重さと細かな部分でのかじ取りを必要とします。

その際の指針やアドバイスをもらう、あるいは妄想性障害の患者を家族に持つストレスを上手に解消するためにカウンセリングを利用するのもありだと思います。

 

・基本的には話題を逸らして肯定も否定もしない

・親しければトライ&エラーで接し方を探すしかない

・家族やパートナーがカウンセラーを利用するのもおすすめ

 

piyoko2今回は妄想性障害について紹介しました!

妄想性パーソナリティ障害もとても興味深かったので、次は不安を伴うパーソナリティ障害あたりを紹介しようかなーと考え中です。

ここまで読んでくださってありがとうございます^-^

 

参考サイト

ハートクリニック こころのはなし(妄想性障害)

 - 心の病気・ストレスと関係する病気