強迫性パーソナリティ障害の方への接し方-夫婦、両親、上司の場合-

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      2017/02/08

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前回に引き続き、ルールに固執しがちな『強迫性パーソナリティ障害』について紹介していきます。

今回は身近に強迫性パーソナリティ障害を持つ方がいる場合、どんなふうに接していけばいいのかを中心にまとめてみました。

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基本的な接し方

責任の範囲を決める

強迫性パーソナリティ障害の方と接しているときに起こりがちなトラブルが『完璧主義に付き合わされる』ということ。

ルールや秩序を周囲にも守ってほしいと思うがあまり、余裕をなくしやすい特徴を持っているのですね。

一方で周囲の人の中には『これくらいでいいか』と、良い意味で手を抜ける方も当然います。

そこでお互いに『ここまでやろう、これくらいはやろう』の位置が大きくずれてトラブルに発展するケースが少なくはありません。

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そこで大事になってくるのは、『責任の範囲』をすべてに適用させないということです。

強迫性パーソナリティ障害の方のこだわりを大切にする場面と、そうでない場面をわかりやすく分けてください。

家の中のことであればキッチンは私の管轄、風呂掃除はあなたの管轄というような感じです。

周囲にも自分のルールを守ってもらえる場所がある、と感じると強迫性パーソナリティ障害の方はそこにしっかりと取り組みます。

集中力がその1点に向かうので、ほかの部分では多少の余裕が生まれ、双方に良い結果をもたらすことになるんです。

2人で、あるいは複数でしっかりと話し合いの場を持って案件について話し合えればベストです。

 

否定・批判よりも選択肢を

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強迫性パーソナリティ障害の方と前向きに話し合っていくために必要なことが『選択肢の提示』です。

強迫性パーソナリティ障害の方は、批判・非難・否定に弱い傾向があります。

もちろんこれはほかのパーソナリティ障害の方にも言えることです。

ただ、強迫性パーソナリティ障害の方は完璧主義なので、自分の少しのほころびも大きなほころびに見えて、とても傷ついてしまう特徴を持っています。

その点を踏まえて、批判や否定よりも『あなたに新しい選択肢を提案している』という意識で話をするのがおすすめです。

 

夫婦関係の問題と解決

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海外のフォーラムを見てみると、強迫性パーソナリティ障害と人間関係の悩みでは圧倒的に『夫婦関係』の悩みが多かったです。

毎日毎日顔を合わせますし、生活のすべてに強迫性パーソナリティ障害の方特有の固執が入ってくることで、相手をするのも疲れるという声もしばしば。

解決法は大体3つに分類できたので、簡単にまとめてみます。

 

離婚

離婚して『相手は相手の人生を生きる』『自分は自分の人生を生きる』という回答が意外と多かったです。

強迫性パーソナリティ障害の方の日常のルールへの固執が強すぎてモラルハラスメントになっている場合、離婚もありかもしれないと私は思います。

お子さんがいればお子さんにも完璧を要求しますし、そのあたりを考えての離婚という方もいました。

 

情報の共有

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情報の共有とは、強迫性パーソナリティ障害について知ってもらうということです。

強迫性パーソナリティ障害の方は感情が爆発するタイプではないので、落ち着いた状態で(本人が安心できる環境で)あれば話を聞いてくれます。

その中で過度に責めないように注意しながら、強迫性パーソナリティ障害の情報を流していくというやり方です。

こうすることで本人が自分の特性に気づき、ケースによってはセラピーやカウンセリングへの通所も期待できます。

 

悪循環を防ぐために

私個人としての考えですが、何よりも大事なのはまず感情的にならないことです。

感情的になると自然と相手を責めてしまいますし、強迫性パーソナリティ障害の方は責められれば責められるほど我が身を守ろうと、かたくなにルールに固執します。

とは言っても毎日ルールに縛られ続けてイライラしない人はいないと思うので、一時的に距離を取るのがおすすめです。

ほんの少しでもいいので自由な時間を作り、まずはあなたの感情ケア、心の傷のケアをしていきましょう。

そうして心が落ち着くと、離婚するにしても婚姻を続けるにしても勢いに流されない落ち着いた判断につながります。

 

父親、母親との付き合い方

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両親のどちらかが強迫性パーソナリティ障害を持っている場合、子供は自尊心を育むのが難しくなります。

親が完璧を求めるが故に、『自分はできる』という自己効力感が育たないからです。

低い自己効力感と深いかかわりにある回避性パーソナリティ障害などになる危険性もあります。

もしも両親のどちらかが強迫性パーソナリティ障害かもしれない、と気づいたときには夫婦関係のときと同様に距離を取ることをおすすめします。

独立することができない場合でも、家庭内での会話を最小限にしましょう。

その上で、得られなかった自己効力感や傷ついた心のケアをします。

これについてはまた別途書いていきたいと思いますが、まずは接触を最小限にして影響を受けないような環境を作ることを最優先で行うことが大切です。

 

職場の上司との付き合い方

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強迫性パーソナリティ障害の方とチームを組むことはもちろんですが、チームの上司が強迫性パーソナリティ障害だったりすると特に大変です。

部下に対してはついつい高圧的にあれこれ指示してしまい、部下の方からすると圧迫されていると感じてしまうのです。

しかも言っていること自体は社会のルールに則っているので、反論しにくいということもあるかもしれません。

そんなときの対処法は2つあります。

 

チーム内の結束を高めて直訴

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まずはチーム内で意見をひとまとめにしておく作業が必要です。

強迫性パーソナリティ障害の方は可視化されたもの、範囲の決まったものを好む傾向があります。

そのため、チームの人員1人1人の多様な意見を、妥協しながら上手にひとまとめにするという作業には向いていません。

ですので、個々人が上司に意見するのではなくチーム全体でまとまって1つの意見を出す方が『可視化され、範囲が決まっている』という特性上、受け入れられやすいです。

もちろん、あまり上司を孤独にし過ぎない配慮は必要ではありますが…。

チームの中に小さなチームを作って、交渉してみましょう。

 

労働相談をする

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意見が通らない、チーム内の雰囲気が分断されている、完全にパワハラの水準という場合は労働相談という方法もあります。

ベストは社内の相談窓口ですが、今後の昇進などに響かないか心配な方もいるかと思います。

そういうときには、都道府県の労働局への相談がおすすめです。

全国の都道府県の総合労働相談コーナーについては、こちらで紹介されています。

総合労働相談コーナーのご案内|厚生労働省(外部サイト)

 

人間関係全般に言えることですが、まずは落ち着いて問題を見極めて、相手が拒否感を示さないような方法でアプローチするのがベストなのかなと感じました。

と、口で言えてもそれがなかなか難しいんですけどね…。。

 

参考サイト・文献

PsycoForums

岡田尊司(2004)『パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか』PHP新書

岡田尊司(2004) 『人格障害の時代』 平凡社新書

磯部潮(2003)『人格障害かもしれない どうして普通にできないんだろう』 光文社新書

 - パーソナリティ障害