社交不安障害と性格・あがり症・パニック障害との違いって?

記事の画像はイメージです。特定の人物を指すものではありません。

      2017/05/20

この記事を読むのにかかる時間: 542

社交不安障害は不安感から社交場面を避ける病気ですが、似たような性格を持つ方や、似たような病気で間違いやすいものもあります。

そこで、ここでは社交不安障害とその他の病気、性格の違いを見ていきたいと思います。

スポンサーリンク


社交不安?社会不安?

社交不安障害、社会不安障害という2つの病名を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、これはどちらも正しいです。

2008年に日本精神神経学会が訳語を社会不安障害から社交不安障害に変更したため表記が変わっただけなので、どちらも同じ病気を表しています。

英語ではSocial Anxiety Disorder、通称『SAD』と呼ばれています。

ちなみに私がSADにかかったときは2007年だったので、1年目と2年目では診断書の病名が『社会不安障害』から『社交不安障害』に代わっていてちょっとびっくりしましたw

 

社交不安障害と性格の違い

世の中には人付き合いが苦手な人もいますし、引っ込み思案でなかなか意見を言えない人もいると思います。

それらの『性格』と社交不安障害の大きな違いが日常生活に支障をきたしているかどうかということです。

多くの不安障害で病気か性格なのかを判断する際に大事なのはやはり、本人が生活するうえで苦痛を感じているかどうかということ。

極端に言えば明らかに症状が社交不安障害でも本人が困ってなければ性格ってことになっても(状況的には)おかしくないわけです。

 

また、慣れがないのも社交不安障害と内気・引っ込み思案との違い。

社交不安障害では何度同じ状況を体験しても慣れがなく、常に不安を覚えます。

そのため、強い不安から社交場面を避けるようになり(予期不安)、日常生活に支障をきたし…という流れが現れるのです。

 

社交不安と対人恐怖・あがり症

社交不安障害,社会不安障害,違い,性格,あがり症,内気,対人恐怖,適応障害社交不安障害、対人恐怖症、あがり症。結構混同して使われやすい言葉ですよね。

重症度から見るとあがり症が最も軽いとされており、発表やスピーチなど特定の場面での緊張度が高まるのが問題です。

このあがり症が常態化して対人場面を徹底的に避けるようになると対人恐怖症と言われていますが、線引きは明確ではありません。

 

どちらにしても対人恐怖症やあがり症には、『自分の体や表情、しぐさなどがほかの人を不快にさせているのではないか』という恐怖があります。

一方で社交不安障害の場合は『自分が恥をかかされる、恥ずかしい思いをする行動や不安自体』に対する恐怖があります。

ただこの3つについては不安や恐怖の対象が入り混じっていたりどこからどこまでがあがり症、対人恐怖と分けられない概念です。

 

社交不安障害と適応障害

社交不安障害も適応障害も同じ不安障害の分類ではありますが、主症状や主原因が異なります。

適応障害にも社交不安の症状はありますし、社交不安障害にも適応障害に見られる意欲の低下やストレス症状はあります。

ですが適応障害の場合、環境を変えることによって社交不安の症状も含めさまざまな症状が消えるケースがあるのに対し、社交不安障害では環境要因はそこまで強くはありません。

より環境要因が強いのが適応障害と考えるとよいですが、併発もあるのでその点は注意が必要です。

 

社交不安障害とパニック障害

社交不安障害,違い,パニック障害,併発,回避性パーソナリティ障害適応障害同様に、パニック障害も社交不安障害と併発しやすい病気です。

パニック障害患者の15-30%には社交不安障害がみられるとも言われており、社交場面での症状はパニック障害にも見られます。

 

ただ、社交不安障害単体だとパニック発作の起き方に違いがあります。

パニック障害のパニック発作は予期しない状況や100%この状況で起きるとは言えない状況で起きます。

それに対して社交不安障害(あるいは強迫性障害や分離不安)では確実にある状況下でパニック発作が起きるのが特徴。

また、パニック発作がないタイプの社交不安障害もあります。

 

社交不安と回避性パーソナリティ障害

回避性パーソナリティ障害とは、否定的な評価に過度におびえたり、人に排除されることを怖がるがあまり社会的な交流を避けるパーソナリティ障害です。

パッと見たところ社交不安障害と似ていますが、回避性パーソナリティ障害の診断基準を満たす人が社交不安障害の基準を満たすことが多いです。

強いて言うならパーソナリティ障害全般として対人関係における不安定さが特徴ですので、社交不安障害と区別をつけるならそこがポイントとなります。

ただ、重度の社交不安障害とパーソナリティ障害は高確率で併発すると考えてください。

 

治療について

社交不安障害,違い,社会不安障害,SAD,性格,あがり症,対人恐怖,パニック障害,適応障害,重症度ここまで社交不安障害とあがり症や対人恐怖症、適応障害、回避性パーソナリティ障害などの違いを紹介してきましたが実は治療法にはそれほど大きな違いはありません。

SSRIを中心とした薬物による治療、対人関係における認知の歪みの修正、あえて社交場面(不安場面)に立ち向かう曝露療法などが主な治療法として知られています。

特に回避性パーソナリティ障害については、治療を並列して行ってもOKとされていますし、実際1つの治療でさまざまな症状に同時に対応できる可能性もあります。

 

まとめ

・社交不安障害と性格の違い→生活するうえでの苦痛の度合

・社交不安障害とあがり症、対人恐怖症の違い→『自分が恥をかくのが怖い(社交不安障害)』、『自分が人を不快にさせるのが怖い(あがり症・対人恐怖症)』

・社交不安障害と適応障害の違い→適応障害の方が環境要因が強い

 

・社交不安障害とパニック障害の違い→確実に予期できる社交場面での発作もしくはパニック発作なし(社交不安障害)、予期できない場所でのパニック発作(パニック障害)

・社交不安障害と回避性パーソナリティ障害の違い→回避性パーソナリティ障害はより不安定な対人関係あるいは社会生活からの完全な撤退がよく見られる

・重症度→性格<あがり症<対人恐怖症<社交不安障害≦回避性パーソナリティ障害

*パニック障害や適応障害は重症度の幅が広いので入れていません。

*これらの違いがすべてというわけではなく、大まかな概要です。個々の症状に対しては専門医の判断・診断を仰ぐのが適切です。

 

hanaminangoku実際に私も社交不安障害の治療だからといって極端に薬が増えたりはしませんでした!

あくまでも強迫性障害の治療に使っているSSRIを中心に認知行動療法などで治療したという記憶があります。

 - 不安障害・気分障害