全般性不安障害ってどんな病気?疫学や症状がわかる一問一答

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      2016/12/08

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不安障害といえばパニック障害や社交不安障害がよく知られていますが、実はそれらの不安障害よりも有病率が高いのが全般性不安障害

全般性不安障害って一体どんな病気なのか、症状や有病率などを一問一答式でまとめてみたので、参考にしていただければ幸いです♪

今回は前半戦として全般性不安障害の概要と症状についてです。

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全般性不安障害とは

Q.全般性不安障害とは?

A.6か月以上継続する不安のために生活に影響を及ぼす病気です。

全般性不安障害はさまざまな不安のせいで日常生活に影響を及ぼす精神疾患で、6か月以上不安が続いていることが診断のポイントとなります。

不安に感じる出来事の範囲が広く、自分の生活に直接的に関係ないことでもひどく不安を覚える方が多いです。

英語では『Generalized anxiety disorder』通称は『GAD』と言います。

 

Q.全般性不安障害の有病率はどれくらい?

A.日本では1.8%程度と言われています。

その他イギリスでは生涯有病率は5.7%、アメリカでは有病率が3.1%との報告があります。

 

Q.全般性不安障害を発症しやすい年齢、性別は?

A.20代の女性患者が多いです。

全般性不安障害はどの年代でもかかり得る精神疾患ですが、発症は10代後半から20代の『青年期』に多いと言われています。

男女比で見てみると男性1:女性2で圧倒的に女性に多いのが特徴です。

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Q.全般性不安障害になりやすい人は?

A.神経質傾向の人です。

全般性不安障害に限らず、不安障害一般のリスクが高いとされるのが神経質傾向の人です。

物事に対して敏感でややネガティブ、柔軟性に乏しいタイプを指します。

 

Q.全般性不安障害の原因は?

A.わかっていません。

遺伝的素質、環境要因、脳の働き、外的要因(会社や学校でのストレス)など複数の要素が絡み合って全般性不安障害を発症すると考えられています。

脳の観点から見ると、ストレスを受けると放出されるノルアドレナリンが常時放出されることでノルアドレナリン不足に陥り、落ち込みや抑うつ、更なる不安が起きるという仮説があります。

 

Q.全般性不安障害は遺伝する?

A.可能性としてはあり得ます。

一卵性双生児を対象にした研究では、80%近い一致率が見られました。

また、人種では白人がもっとも全般性不安障害にかかりやすいこともわかっており、遺伝要素があるのではないかと考えられています。

ただし遺伝要素だけで発症する疾患ではありません。

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Q.全般性不安障害の診断方法は?

A.所見、診断基準との照らし合わせなどです。

精神疾患の診断基準のうち日本で用いられるものはDSM-5とICD-10の2つで、これらの診断基準を満たすかをチェックします。

また、そのほかに診察の際の所見、心理検査なども全般性不安障害を診断する上では重要です。

診断基準については『全般性不安障害の診断基準』という記事で紹介しています。

 

Q.全般性不安障害かどうかチェックしたい

A.『不安障害・気分障害をチェックできるサイト紹介』からどうぞ。

もしかしたら全般性不安障害かもしれない、あるいは違う不安障害かもしれない…と心配な時はまずWeb上でできるチェックをしてみるのもおすすめです。

 

Q.全般性不安障害を放置するとどうなるの?

A.生活の質が下がり、うつ病などを併発するかもしれません。

全般性不安障害によって生活に影響を及ぼす状態が長く続くと退職・退学を余儀なくされたり、再就職が難しくなることがあります。

生活の質が悪いことによってうつ病、その他の不安障害を発症する可能性もあるので、できれば治療を受けることをおすすめします。

全般性不安障害とその他の精神疾患の併発率は50-90%です。

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Q.全般性不安障害の予後・再発率は?

A.25%の再発率です。

治療中止後の再発率は25%程度と言われており、4人に1人が再発する計算です。

再発までの期間は1年以内が最も多く、再発する方の内半分以上は1年以内の再発です。

アメリカのサイトによれば、全般性不安障害は長期化、治療困難なものもあるとのことです。

 

Q.全般性不安障害を予防する方法は?

A.生活習慣の調整、環境調整、考え方の転換などです。

ストレスを受けやすい環境を離れる、規則正しい生活を送る、物事の考え方を変えるなどの方法が全般性不安障害の予防になります。

適度な運動、バランスの良い食事などは重要なポイントです。

 

Q.全般性不安障害の有名人はいる?

A.日本では公表している有名人はいません。

海外でもパニック障害や社交不安障害を公表している有名人は多いのですが、全般性不安障害を公表している方はほとんどいないようです。

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全般性不安障害の症状は?

Q.全般性不安障害の症状は?

A.幅広い症状に悩まされます。

全般性不安障害にはパニック発作のような傍からでもわかるような特徴的な症状はなく、日常のあらゆるところでじわじわと不安を背景にした症状に悩まされます。

漠然とした対処できないほどの不安感はもちろん、体の症状が出ることも多いです。

 

Q.全般性不安障害の症状の経過は?

A.慢性的にじわじわ続くことが多いです。

全般性不安障害は急性期、寛解期といったように症状の経過がはっきりと見て取れるタイプではありません。

なのでじわじわと悪くなっていき、じわじわと良くなっていくようなイメージで考えてみてください。

じわじわと症状が悪くなるので、最初にこのような症状が出たのがいつなのかわからない方も少なくはありません。

 

Q.全般性不安障害の心の症状は?

A.不安と緊張が主です。

ぼんやりとした全般性不安障害の症状を特徴づける唯一の症状が『不安』をベースにしているということです。

不安からくるそわそわ感、不安と戦うことに疲れたことから来る無気力、近い将来起こり得る出来事に対する予期不安などが心の症状です。

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Q.全般性不安障害で抑うつが出ることはある?

A.うつ病を併発している可能性があります。

全般性不安障害単体で抑うつが出るというよりは、うつ病を併発しているために抑うつ症状が出ている可能性があります。

不安障害とうつ病は密接に関連している病気で、全般性不安障害でも併発は多いので、うつ病の治療が必要なのかもしれません。

 

Q.全般性不安障害で幻覚・幻聴の症状が出ることはある?

A.あまりありません。

不安障害でも幻覚・幻聴の症状がないとはいいませんが、かなり珍しいと言われています。

幻覚・幻聴の症状が出ている場合は重症の全般性不安障害、あるいは違う精神疾患の可能性があります。

 

Q.全般性不安障害の身体の症状は?

A.自律神経系の症状がほとんどです。

倦怠感や腹痛、震え、耳鳴り、吐き気、頭痛、疲れやすい、突然動悸がするといった自律神経系の症状が多いです。

また、全般性不安障害の方は常に緊張しているので体がこわばりやすく、肩こりや首こりなどの症状に悩まされやすいのが特徴です。

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Q.全般性不安障害で睡眠障害になることはある?

A.よくあります。

過度な緊張状態が続くことによって夜眠るときに必要な『リラックス状態』をほとんど作り出せなくなることがあります。

これによって不眠、あるいは寝ていても睡眠の質が低くなり、最終的に昼の眠気に繋がります。

 

Q.子供の全般性不安障害の症状は?

A.大人とあまり変わりありません。

基本的には多岐にわたる不安を訴えるという点で、子供でも大人でも全般性不安障害の症状は同じです。

ただ、ほかの不安障害でも言えることですが子供は言語化が上手ではないので、体の症状によって親や周囲の人が精神疾患に気づくケースがよくあります。

体の症状では腹痛や筋肉痛がじわじわ続くことが多いです。

 

Q.全般性不安障害の症状がひどくなる時間はあるの?

A.人によって異なります。

うつ病に見られるような『朝悪くて夕方に改善する』などの症状の日内変動はありません。

本人が気にかけている事柄によって症状がひどくなる時間ができる可能性はありますが、基本的には1日のあらゆる時間で不安に悩まされる精神疾患と考えてください。

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asako1というわけで今回は前半編として『全般性不安障害とは、症状はどんな感じ?』ということを紹介しました。

後編では治療薬や生活の注意点などを紹介していく予定です。

 

参考サイト:

厚生労働省みんなのメンタルヘルス、パニック障害・不安障害

英国国立技術評価機構

ANXIETY AND DPRESSION ASSOSIATION OF AMERICA

大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室

 - 不安障害・気分障害