老人性うつがわかる一問一答―症状、治療、要介護認定、対応について

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      2016/12/08

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うつ病にも新型うつ、更年期うつなどがありますが、今回紹介するのは老人性うつ病

老人性うつ病の罹患率や症状、治療、認知症との違い、対応について一問一答式でまとめてみました。

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老人性うつ病って?

Q.老人性うつ病って何歳以上?

A.65歳以上です。

WHOで45歳以上が初老期、65歳以上が老年期(高齢期)としています。

そのため基本的には65歳以上のうつ病が老人性うつ病です。

それに加えて、仕事から引退しているというのも条件とされることがあります。

 

Q.老人性うつ病の罹患率は?

A.10%を超えるという研究結果があります。

1999年の調査では13.5%の割合という研究結果がありますが、日本での結果ではありません。

(Beekman,et al.: British Journal of Psychiatry, 1999, 174, 307 )

 

Q.老人性うつ病の症状は?

A.体の症状や認知症のような症状が多めです。

自律神経系のめまい、だるさなどの症状や、物忘れが増える、心気妄想など認知症と誤解されやすい症状が出やすいです。

精神的な症状では落ち込みよりも孤独感、寂しいといった症状に悩む方の方が多いようです。

 

Q.老人性うつ病で見られる妄想って?

A.被害妄想、心気妄想、貧困妄想、罪業妄想などです。

被害妄想-自分は嫌われている、邪魔にされているという思いこみ

心気妄想-自分の健康状態が悪いのではないかという思いこみ

貧困妄想-まったくお金がないのではないかという思いこみ

罪業妄想-自分が罪深いという思いこみ

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Q.老人性うつ病と認知症の違いは?

A.症状の進行スピードや日内変動に違いがあります。

老人性うつ病の方が認知症よりも進行が早く、急激に症状が悪化することがよくあります。

妄想の内容も認知症では物盗られ妄想が多いのに対し、老人性うつ病では罪業妄想や貧困妄想などさまざまな妄想が見られます。

また、認知症では症状が1日の中で時間を問わずに出てくるのに対して、老人性うつ病では日内変動があります。

老人性うつ病の患者さんは朝にもっとも調子が悪く、夕方にもっとも良くなることが多いです。

ただし、個々人のケースで症状は違うこともよくあり、医師にとっても認知症と老人性うつ病の鑑別は難しいと言われています。

 

Q.老人性うつ病の症状で泣くことはある?

A.あります。

老人性うつ病に限らず、うつ病は心がかなり追い詰められた状態です。

体が緊張を解こうと涙を出して強制的にリラックスさせようとしている可能性があります。

老人性うつ病の場合は孤独感が大きく、孤独に苦しんで泣く患者さんも少なくはありません。

 

Q.老人性うつ病では食欲はどうなる?

A.なくなることが多いようです。

基本的に多くのうつ病では食欲不振に、新型うつや冬季うつ病では食欲が増すことが多いですが、老人性うつ病は前者です。

もともと年齢を重ねると食用不振になる方が多いですが、そこにうつ病が重なるとさらに食欲不振が進みます。

 

Q.老人性うつ病の初期症状は?

A.感情の変化、極度の不安などです。

急激に感情が高ぶるようになったり、逆にまったく感情の起伏が見られなかったりします。

また、自分の健康に対して極度の不安を訴えるようになったら注意が必要です。

老人性うつ病は環境の変化とともに発症することが多いので、身近な人との死別などがあったときは周囲の人が注意深く見守ってあげましょう。

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老人性うつ病の治療

Q.老人性うつ病の治療方法は?

A.薬物治療、環境調整、認知療法などです。

老人性うつ病の発症のきっかけには環境の変化が大きいので、環境に慣れるように調整できる部分は調整し、ゆっくりと休息することが治療になります。

その他に薬物治療、初期の老人性うつ病では認知療法なども行われます。

 

Q.老人性うつ病の治療はどの科が良い?

A.専門は精神科ですが、精神科にこだわらなくてもOKです。

メンタル関係の専門は精神科ですが、老人性うつ病は認知症との鑑別が難しい、背後に別の病気が隠れている可能性も低くはないので、精神科にこだわらなくてもOKです。

年代的に精神科に抵抗があるケースでは、まず内科で心の症状を相談することから始めてみるのがおすすめです。

 

Q.老人性うつ病に使われる治療薬は?

A.SSRIや漢方薬などです。

老人性うつ病では、どちらかといえば副作用が少ないと言われる治療薬を用いることが多めです。

SSRI、SNRIのほかに、補中益気湯、柴胡加竜骨牡蠣湯、半夏厚朴湯などの漢方薬が用いられることもあります。

 

Q.老人性うつ病の薬に副作用は出やすい?

A.十分な注意が必要です。

若い方とは違ってもともと生活習慣病などの薬を飲んでいる方が多いというのが、老人性うつ病の患者さん(65歳以上の高齢者)の特徴。

そのため、飲み合わせが悪く副作用が出てしまうといったケースも少なくはありません。

合う薬を見つけられるかどうかは、老人性うつ病の治療では非常に重要なポイントです。

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Q.老人性うつ病の治療で入院はあり?

A.ありです。

自宅での十分な休養が難しい場合、病院という環境に変えた方が落ち着く場合などは入院治療もあり得ます。

他の病気の入院とは違い、休息に加えて社会的な活動が組み込まれることが多いです。

集団で何かを作ったり、ちょっとした農作業、カラオケなどを通した取り組みを治療とするケースも。

 

老人性うつ病と対応、生活

Q.老人性うつ病の患者さんへの接し方は?

A.休息、環境調整の手伝いをしてあげましょう。

普通のうつ病だと何よりも休息が優先され、責めずに見守ってあげる必要があります。

老人性うつ病の場合はそれももちろん必要ですが、環境調整を手伝ってあげることで症状が良くなるケースも少なくはありません。

環境調整では具体的に趣味やボランティアを通した社会活動への参加、一緒に外出して刺激を与えるなどの方法があります。

 

Q.老人性うつ病での要介護認定は可能?

A.65歳以上なら十分可能です。

65歳以上なら病気の種類に関わらず要介護認定を受け、各種サービスを受けられる可能性があります。

40-64歳で老人性うつ病と判断された場合は、他に関節リウマチや骨粗しょう症などの『特定疾病』がなければ要介護認定を受けるのは難しいです。

要介護認定を受けるためには申請書、被保険者症、主治医の意見書が必要です。

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Q.老人性うつ病の親が1人暮らししていても大丈夫?

A.症状によって施設への入所なども考えてみましょう。

老人性うつ病の症状の中でも特に目立つのが孤独感。

1人暮らしだと孤独感がさらに増しやすいので、ケースによっては同居・施設への入所などを考えてみるのもおすすめです。

それが難しい場合は、頻繁に訪問する、人と関わる趣味への参加を促すといった方法もあります。

 

Q.親・祖父母が老人性うつかもしれないけれど病院に行くのを嫌がる場合は?

A.だまし討ちはおすすめしません。

経験則ですが、騙して連れていくとばれてしまうのでおすすめしません。

まずは病院の何が嫌なのかを会話の中から探り、病院に対して不安に思う部分を解消してあげましょう。(例:治療費のことなど)

プラスして、病院に『行ってあげる』と思える理由を作るのも効果的です。

お父さん(お母さん)が心配だから一度だけ私のために行って、ということですね。

その1回の通院を2回、3回と続けていくために先に症状をよくまとめておいたり、別途医師と話すのも良いと思います。

身近にも老人性うつ病にかかった人がいますが、病院に連れていくのが最大の難関でした:;

 

asako3年を取ると健康不安や喪失感と向き合う機会が増えて、必然的に考えることが多くなったりもしますよね。

家族が早めに気づいて対処してあげることも大事なんじゃないかなぁと日々心がけながら過ごしています。

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