遠回しな怒りの表現・受動的攻撃の例と対処法

遠回しな怒りの表現・受動的攻撃の例と対処法
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『言いたいことあるならはっきり言いなよ!』と思ってしまうような怒りの表現をする方、いますよね。

逆に自分自身がまっすぐに怒りを表現できず、遠回りになってしまうこともあるかもしれません。

今回は、そんなねじれにねじれた『怒り』の表現である、受動的攻についてみていきたいと思います。


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受動的攻撃って何?

受動的攻撃とは、『受け身でありながら攻撃性を持っている言動や行動』を指します。

普通攻撃行動といえば、相手に直接文句を言ったり暴力などで表されます。

ですが、受動的攻撃では怒りを直接的に表現することはありません。

 

例えば、こんな行動が受動的攻撃に含まれます。

話し合い(言い合い)の最中に急に黙り込む

何か頼まれたのに忘れたふりをする

やるべきことをさぼる

自分では決断しないが、他人の決断を非難する

わざとミスをする

裏で悪口を言い、気に入らない相手を孤立させる

皮肉る

噂話と女の子

また、こういったセリフも受動的攻撃の際に見られがちです。

何を言いたいか全然わからない

もうこの話は終わりにしよう

勝手にすればいいんじゃない?

なんでこんなことくらいで本気になるの?

忘れたものはもうしょうがない

あなたは大げさに捉えすぎ

 

どの言動・行動例を見ても共通しているのが

直接は表現しない

ことです。

サボる・やらない・会話しないなどの『引いた』行動で、怒りを表現しています。

裏で悪口を言って操作するのは、『受け身』ではありませんが、気に入らない本人への直接的攻撃には当たらないので、受動的攻撃の一種とみなせると私は考えています。

これらの受動的攻撃は、無意識的に行われることがあります。

 

受動的攻撃の心理

怒った表情を書かれた指

受動的攻撃をする方が、わざわざ『引いた』表現を使ってまで怒りを表すのには理由があります。

それは、『怒りを直接表すこと』のデメリットが、とても大きいからです。

 

怒りに限らずさまざまな感情をどう表すかや、基本的な規範は、ほとんどが養育者から受け継いだものです。

受動的攻撃もその一つで、例えば『怒りそのものを抑制する家庭』は受動的攻撃を生みやすいです。

怒りという感情は人として当たり前の感情であり、ダメ・良いものではありません。

もちろん表現するのもダメではなく、『表現の仕方・場面』を考えれば、うまく問題を解決する力にもなります。

ですが、世の中には子供に対して『怒るな』と強制する養育者もいます。

 

具体的には、

子供が怒りの表現をすると、それ以上に激しく怒る

『反抗的な目つき』などという理由で、子供を唐突に無視したり恫喝する

『良い子にしなさい』という理由で、自分の言うことを聞くように操作する

『もめごとを起こすな』という言葉で、自分の言うことを聞くように操作する

親自身が受動的攻撃を用いることで暗に怒りを否定する

などがあります。

 

このように、何らかの養育上の理由で怒りを押さえつけられたとしても、怒り自体はなくなりません。

自然な感情として怒りを感じること自体はあるのです。

ただ、表現の場を失って抑圧されたことで、様々な方向で怒りの力が外に出ようとします。

例えば自分に怒りが向いて自己否定や自己嫌悪につながったり、身体に出れば身体表現性障害になったりということです。

そして、屈折した形で他人に表現されると、受動的攻撃となります。

つまり、受動的攻撃の心理は『怒りを表現してはいけない』という思い込みから来ています。

歪曲的に怒りが表現されるのは、直接的な表現にデメリットがあると本人が感じているからです。

 

もしもあなたが受動的攻撃をされたら…

悲しみを感じる女性の影

もしもあなたが、『今、受動的攻撃に遭っているかも…』と感じることがあれば、以下の方法で対処するのをおすすめします。

敢えて書いてはいませんが、あなたの心のリフレッシュや心のケアもしっかり行ってくださいね♪

 

受動的攻撃の対処1.怒らない/相手にしない

受動的攻撃を行う人には、2つの目的があります。

1つは自分の要望や希望を通す(少なくとも主張する)こと。

もう1つは、相手が感情的な反応を示すことです。

 

要望を通したいのはまだしも、どうして『正面からの争いを避けながら、相手に感情的になってほしいの?』と思いますよね。

相手が感情的な反応をするということは、良くも悪くも『自分の言葉に影響力がある』と感じられる証拠になります。

受動的攻撃をついしがちな人は、それほど自尊心が高くはありません。

『自分は何の影響も与えられない人間だ』という思いを払しょくするのには、受動的攻撃への反応も利用できるということです。

反応したうえに要望がもし通ったら、受動的攻撃がもたらす蜜の味を知って、さらに乱用される結果にもなります。

 

相手に受動的攻撃を減らしてほしい場合は、まず『相手の望む感情的な反応をしない』ことが第一です。

受動的攻撃をしてもあなたの要望は通らないし、あなたの影響力が上がるわけではないということを、できるだけ伝える必要があります。

その方法としておすすめなのが『受け流し』です。

怒らず、あまり真剣に話は聞かず、通すべきでない要望は通さないという態度を貫きます。

相手の1つ1つの言葉を気にかけるとイライラしやすくなるので、言葉は単なる道具であることを思い出してください!

『不満です!』をいろんな言い方で言っているだけと思うと、少し気を楽にして相手に接することができるのでおすすめです。

 

無理に変えようとしない

夏の海・ビーチ

受動的攻撃は遠回しとはいえ、イライラしてるんだろうな・気に入らないことがあるんだろうなというのは伝わってきます。

何回もそうやって攻撃されたり、ずーっとネチネチ言われると、『あなた怒ってるんでしょ?』って言いたくなります。

『いい加減にして!』とも思うかもしれませんが、相手を無理に変えようとあれこれ力を注がないことをおすすめします。

変わったらいいなぁと思って自分の無理ない範囲で取り組むのは良いと思います。

 

ただ、やはり誰しも強制的に変えることはできないので、こちらからは提案程度にとどめておくのが良いのかなぁと。

身近な人だったり、どうしてもその人に変わってほしいと願う場合は、一緒に本人の気持ちの表現について考えたり、専門家を紹介したりというのもありかもしれません。

 

約束事は書面などでしっかり保存

書類にサインする男性

嫌味などではなく、サボリ・遅延で受動的攻撃をしてくる場合、だれが見ても締め切りがわかる書類・データが必要です。

口約束だけだと、話をうやむやにされ、次も同じことで遅れが出る可能性があります。

最近はメールやLINEのやり取りなどで残しておくことも可能ですし、仕事ならチームの進捗を共同ファイルで管理したりも可能。

小さなことでも目に見える形で保存することで、相手が遅延・サボリなどの受動的攻撃を用いた時に、確たる証拠を示せます。

受動的攻撃を防ぐというよりは、受動的攻撃が長引くのを防ぐという感じです。

 

伝えたいことは生産的に

ビジネススタートアップのミーティング

例えば仕事の場面で受動的攻撃が起きると、自分の部署やチーム全体の仕事が遅れることがあります。

サボりなどの受動的攻撃もそうですし、1つ1つの会議で受動的攻撃を出されるとどんどん時間が伸びます。

受け流しだけではどうしてもやっていけないときも来ますよね。

伝えたいこと・やってほしいことも当然あるはず!

そんなとき、何かを伝える方法としては『可能な限り生産的に』がおすすめです。

 

例えば、ある社員が意見も言わないのに人の意見を批判する受動的攻撃が多かったケースを見てみます。

何度も『その案はダメ』『こっちの案もイマイチだと思う』といわれると、『批判ばっかりするな…』と感じますよね。

受け流しても受け流しても批判ばかりだと、『案件を進める』という生産性がなくなっていきます。

元々の目的であった案件を進めながら、受動的攻撃を受け流すには『生産的な声かけ』が大事です。

『どういう案だったらいいと思う?』『どの案を組み合わせたらいいと思う?』と、冷静に聞いてみてください。

 

本当に批判だけの人なら、黙り込んでしまいます。

もしも『自分なりの案・意見があったのに言えないから受動的攻撃していた人』なら、生産的な案が出てくるかもしれません。

何らかの作業をやる・やらないで受動的攻撃が出ていたら、『どれくらいの時間を与えたらやる?』『1人で無理なら誰と一緒ならやる?』と問います。

みんなで『何ができるか』『どれくらいならできるか』と考える・検討する雰囲気を作って、『批判』の視点から離れることが可能です。

 

もちろん、実際の現場ではそれだけではうまくいかないこともあると思います。

仕事でのコミュニケーション法の一種として、ほかの方法と組み合わせて使ってみてください!

 

自分が受動的攻撃をしているかも?と思ったら…

もしも自分が受動的攻撃をしているかも…と感じたら、ぜひやってほしいことが2つあります。

 

感情の受け入れ

手に描かれたハートの形

まず、ぜひ取り組んで欲しいのが感情の受け入れです。

受動的攻撃は、怒りを表現することを否定されることからスタートすることが多いです。

自分の中に『怒り』『憎しみ』『悲しみ』『嫉妬』などを否定する気持ちはありませんか?

素直に感情を味わっていると思えますか?

人前で感情を表現しなくても、自分一人の時は思い切り怒ったり悲しんだりしていますか?

 

もしも感情が今よりも抑圧されなくなれば、受動的攻撃という出口を使う頻度も減ります

怒りは存在してもいい、憎しみは存在してもいいということを自分の心に教えてあげましょう。

それはすでにできているけど、怒りを表現する勇気がない!怒りをどうやって表現したらいいかわからない!という方は、2つ目の方法に進みましょう。

 

コミュニケーションの練習

トンネルの出口

上で紹介した感情の受け入れは、怒りの抑圧を減らすことで、受動的攻撃という出口から出る怒りの量を減らします。

ですが、対人関係で怒りを表現するときには、まだ受動的攻撃という出口が使われやすいままです。

出る量が減るだけであって、出口を変えてくれるわけではありません。

2つ目、コミュニケーションの練習では受動的攻撃という出口自体をあまり使わないようにします。

 

具体的にはまず、自分の受動的攻撃のパターンやサインに気づくところからスタートです。

受動的攻撃のパターンとしては嫌味を言う・皮肉る・わざと遅れるなどがありますが、それに気づいていきましょう。

遅れる・ミスするなどは気づきにくいので、しっかりと自分を観察する技術が必要です。

また、受動的攻撃が起きそうなときのサインにも目を向けてみましょう。

自分が気に入らないことが起きた時、体はいち早く反応します。

胸のあたりやお腹のあたりを観察して、自分が受動的攻撃に出るサインを見つけてみてください。

コーヒーとともに友達とおしゃべり

次に、いよいよコミュニケーションの本番です!

いよいよ相手に怒りを伝えていく段階ともいえます。

受動的攻撃のサインが出たら、『伝えたいことは何だったか』をまず考えてみてください。

相手にわかってほしいことは?

相手にしてほしかったことは?

自分が意見したかったことは?

と考えてみましょう。

そして、それを表現していきます。

 

受動的攻撃を長らくやってきた方にとっては、すごく勇気が必要だと思います。

ここで、少しだけ勇気を出してみてください。

ただ『こんな風にしてほしかった』『こんなことをされて気分が悪かった』と、伝えてみてください。

毎回でなくても構いませんので、ゆっくり練習していきましょう。

 

その結果、相手が自分の怒りや不快感といったまっすぐな表現を理解して配慮してくれる場合もあれば、そうでない場合もあります。

そういう失敗や恐怖に慣れていくことこそが、受動的攻撃をしがちな人の『コミュニケーションの練習』になります。

怒りを表現することはデメリットばかりではない、と確認できるような時間をどんどん増やしていきましょう。

一筋縄でいかない場合は、カウンセラーさんへの相談もおすすめです。

人間関係を専門的に扱っているカウンセラーさんや公式サイトに受動的攻撃について書いているカウンセラーさんはおすすめですよ。

 

まとめ

青空と気球

・受動的攻撃とは、受け身でありながら攻撃的な言動や行動をとること

・忘れたふり、サボリ、遅延、過度な批判、皮肉などが代表的

・養育上の理由や何らかのきっかけで怒りを表現することを抑圧したことが、受動的攻撃の主な原因

・受動的攻撃に対しては受け流し、生産的な物言いなどが有効

・受動的攻撃してしまうクセを改善したい場合、感情の受け入れやコミュニケーションの練習が重要で、ケースによってはカウンセリング利用もおすすめ

 

自分は受動的攻撃をしないだろう!と思わず、日々チェックすることも重要ですね^^

普段はしていなくても疲れていると、ついつい相手にわかるかわからないかのラインで嫌味を言ってしまったりもしますし。。