脳スキャンで強迫性障害(OCD)のより正確な治療法につながる可能性(米研究)

記事の画像はイメージです。特定の人物を指すものではありません。

      2016/11/24

この記事を読むのにかかる時間: 343

強迫性障害や精神疾患と脳の関係については、現在も研究が進められています。

こと脳の話になると難しいと思われがちですが、ここでは2015年6月に発表された強迫性障害治療と脳に関する研究をまとめてみました。

以下、Sience Dailyより。

スポンサーリンク

認知行動療法後の再発可能性を脳スキャンでチェック

今回UCLAとセメル研究所の研究者たちは、21-50歳の17人の強迫性障害(OCD)患者の脳スキャンを行いました。

認知行動療法4週間のコースの前後に脳スキャンを行い、その後12か月間医師による臨床症状のモニタリングもありました。

 

認知行動療法は脳に影響を与える

2
今回の研究によって、認知行動療法自体は効率的な脳活動になることがわかりました。

脳内のネットワーク活動に役立っていることはわかったので、認知行動療法自体の可能性・効果については認められたのです。

 

治療の成功が脳スキャンで予測できる

認知行動療法で脳がある程度よい影響を受けるものの、ある脳の接続性を持っていた人々は、認知行動療法プログラム終了後に悪化することもわかりました。

治療前の症状の重症度、治療中の症状の改善度は治療後の成功の予測因子とはならないのです。

つまり、治療をしても効果が出にくい人を脳スキャンで予測できる可能性がある、ということになります。

 

今後は臨床経過の予測への利用が考えられる

4
今回の実験では、4週間の認知行動療法プログラムは一部の強迫性障害患者にとっては有効な長期的アプローチではないことがわかりました。

どのような治療がもっとも適しているのかを、患者・医師がともに知ることができる方法として、今後脳スキャンの利用の可能性もあり得ます。

題名:Brain scan can predict who responds best to certain treatment for OCD
URL:http://www.sciencedaily.com/releases/2015/06/150625161512.htm
出典:Sience Daily/University of California – Los Angeles

 

簡単にMRI検査についてのまとめ

今回の実験ではMRI、fMRIによって脳スキャンを行いました。

ここでMRIってどんなものなの?ということを簡単にまとめておくと、めちゃくちゃ強い磁石と電波を使って脳や体をスキャンする機器です。

脊椎や子宮などの疾患を早く発見できることから、診断の際にMRI検査は有効とされています。

筒の中に入ってだまって寝ているだけですし、痛みも被ばくもありません

閉所恐怖症の方用に、もうちょっと形を広げたMRIもあるそうです。

 

受けられない人はいるの?

6
もしも強迫性障害の予後予測のためにMRI検査を受けるとしたら…と考えた時に気を付けたいのが、受けられない方が一定数いるということ。

例えば心臓ペースメーカーを埋め込んでいる方や体全体に入れ墨がある方、人工内耳の方などはMRI検査を受けられないケースがあります。

 

fMRIとMRIの違いは?

上述の実験でもMRI、fMRIが用いられていますが、この2つにはちょっとした違いがあります。

MRIは断面像を得るもの、つまり脳の一部に動脈瘤などがあるかどうかといった『構造』を測るのに役立ちます。

一方でfMRIは血流をとらえることができるので、脳のどの部分が働いているかを知ることができるのです。

MRIは写真撮影、fMRIは動画撮影のようなものと言えます。

 

今後の強迫性障害治療への変化は?

8
筆者の予測ですが、今後はもっと強迫性障害・精神疾患と脳に関する研究が進んで、脳の異常からくるタイプに効果的な治療法とかも見つかったりするかなー…というか見つかったらいいなーと思います。

まだ一部の臨床現場で実験として行われている段階ですので日本の医療現場に入ってくるには年月がかかるとも予測できますが。

ただ、こういった分野での進歩は目覚ましいので、私ももうすこし脳と強迫について勉強して、勉強したことをまたシェア出来ればと思っています。

 - メンタル関係の研究結果