完治と寛解って何?不安障害・うつ病の治癒について考える

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      2017/07/20

この記事を読むのにかかる時間: 338

精神疾患にかかったときに気になるのが『治るの?』ということだと思います。

ただ、精神疾患の分野の『治る』には『完治』と『寛解』があり、ある意味では治るけどある意味では治らないとも言える難しいラインがあります。

そこで今日は、わかりやすい完治と寛解の話をしようと思います。

『寛解?聞いたことないんだけど?』という方にもわかりやすく、かつ治療で何を目指せばいいのかっていう全体的なお話です。

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完治と寛解の違いは何?

完治、寛解、この2つの言葉はどちらも『治癒』に含まれています。

ですが大きな違いがあって、完治の場合は『完全治癒、症状がまったくない状態』ということです。

一方で寛解の場合は『8割くらい治っている状態、もしくは社会的な生活を送るのにそれほど支障のない状態』を指しています。

8割ってわかりにくいので、基本的には『社会生活で支障がないか』が基準になることが多いようです。

寛解では、日常生活やストレス場面でのコントロールが必要です。
寛解はコントロールが必要な状態
まとめるとこんな感じです↓

完治→まったく問題なし!症状なし!薬もなし!

寛解→ほとんど問題なし!症状や薬はちょっとあるけど!

 

精神疾患治療で目指すべきは寛解である2つの理由

精神疾患の治療で目指すべきなのは寛解です。

その理由は2つあるので、今から紹介します。

 

理由1.原因が特定できないから完治の基準がない

不安障害やうつ病はもともとの性格、ストレス状況、脳機能の障害などいろいろな理由が絡み合っています。

このウイルスで病気になりますよ!というのなら、ウイルスが体にないことを確認すれば完治です。

骨折なら骨がちゃんとつながっているのをレントゲンで確認して、日常生活にも問題がないことが確認できれば完治です。

でも、一体何と何が組み合わさって病気になっているかわからないのに、どうやって治ったって判断できるんでしょうか?という問題が精神疾患治療にはあります。

 

理由2.再発率と危機感

うつ病や不安障害の再発率はどれくらい?
うつ病の再発率は6割程度、強迫性障害やパニック障害を含む不安障害は23.5%(2013,Scholten WD他)とされています。

これが完治という言葉がそぐわないもう1つの理由でもあって、2-5人に1人はまたうつ病や不安障害になっちゃうんですよ。

なので、コントロールが必要な状態である『寛解』の方が適していると言われています。

ここは私も完全同意で、完治した!と思うと気が抜けちゃうというかすぐにオーバーワークになる人とかも実際にいるんです。

なので、コントロールが必要な寛解状態であるという危機意識は予防にも役立つのかなと感じます。

 

再発予防のためにできること

うつ病の再発予防に大事なものとは?
もっとも大事なのは、認知の歪みを改善すること

認知行動療法でもいいですし、潜在意識へのアプローチ、環境を変える・多くの人に会うなど、さまざまな方法があります。

いずれにしても、認知の歪みを改善することで以前と同じストレス状況になっても違う見方が出来ます。

これは、再発予防に役立つことのうち、もっとも大事なものだと思っています。

 

それでも『寛解』を使う理由は?

同じようなストレス状況になっても認知が変われば世界が変わる!なら完治でもいいじゃん!って思った方もいるかもしれません。

そのケースも少なからずあると思いますし、本人が心地よければそれはそれでも問題ないかと。

ですが私があえて寛解を使い続ける理由は、『認知の歪みや過去から引きずった思い込み』だけが病気を作っているわけではないからです。

脳のもともと持っている機能の不足、それによって引き起こされる体質的な病気という側面が不安障害にはある、と私は思っています。

だから認知の歪みが治ったのに薬が減らないじゃない><。。。と悲しまないでほしいという意味も込めて、やっぱり寛解で適切なのかなと。

 

まとめ

寛解と完治の違いをわかりやすくまとめてみた
・精神疾患治療における『完治』の基準はない

・寛解状態を目指しつつ再発予防にも努めるのがベスト

・再発を防ぐためにも認知の歪みの改善やストレス対策は必要

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