妄想性パーソナリティ障害について知ろう!特徴や原因、接し方のポイント

記事の画像はイメージです。特定の人物を指すものではありません。

      2017/03/10

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今回紹介するのはパーソナリティ障害A群(奇異型)に含まれる妄想性パーソナリティ障害です。

どんな問題を抱えているのか、どんなすごいところがあるのか、妄想性パーソナリティ障害の有名人などについて見ていきます。


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妄想性パーソナリティ障害の特徴

『疑い』のバイアスがかかる

パーソナリティ障害はどれも『行き過ぎた傾向』が問題につながります。

妄想性パーソナリティ障害の場合は『行き過ぎた疑い・猜疑心』が最大の特徴となります。

誰も信じることができない、最初から疑いというバイアスをかけて相手のことを見てしまうのです。

他の人からすれば裏切りではないようなことも裏切りに見えますし、常に疑いが取れない不安定な状態の中を生きています。

 

恋愛・結婚場面での妄想

特に妄想性パーソナリティ障害の特徴が出やすいのが恋愛・結婚の場面です。

例え誰がパートナーになっても、妄想性パーソナリティ障害の方にとっては『裏切らない』という安心感は存在しません。

そのため、主に『嫉妬』という形で妄想性パーソナリティ障害の特徴が現れます。

ちょっとしたことでも嫉妬し、相手の行動を制限しようとするケースもあります。

あるいは、少し親切にされたことを過大評価し、恋愛妄想に陥ることも。

 

執着が強い

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精神科医の岡田尊司さんは著書でこのように述べています。

このタイプの人は、ねちっこく、執着傾向が強く、いっそう手ごわいストーカーになってしまう。

岡田尊司 (2004).パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか 178

妄想性パーソナリティ障害の方は、他人は裏切るだろうと思う反面、裏切られれば不安と感じます。

他人が自分を好きなうちは安全確認のため、他人が自分を嫌えば逆恨みで執拗なストーカー行動や制限行動に出ることがあります。

 

妄想性パーソナリティ障害の原因は?

裏切られた原体験

妄想性パーソナリティ障害の原因の1つが、他人から手ひどく裏切られる原体験です。

人生の早いうちの屈辱的体験の影響は小さくはありません。

親に常に罵られバカにされ続けた、壮絶ないじめを受けたなどの経験はその後の人生・人格に影響します。

 

過剰防衛

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裏切られた原体験や自分は大切にされていないという実感を持ったまま世界で生きていくために妄想性パーソナリティ障害の方に必要だったのが『過剰防衛』です。

一見すると妄想性パーソナリティ障害の方は攻撃的ですが、それはすべて自分を守るためにしていることなのです。

出会う者すべてを敵とみなすくらいでようやく安全性が保障されると感じているので、対人関係では過剰防衛の傾向がみられます。

直接的な原因は裏切られた・人を信用できない原体験にあり、対処策として過剰防衛が使われたと考えてください。

 

妄想性パーソナリティ障害のすごいところ

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猜疑心に満ちた心を持つ妄想性パーソナリティ障害の方ですが、その能力が生かされることがあります。

それは、人の感情に流されない方がより高い目標を実現できる世界です。

損得をもっとも重視する仕事の場面では感情的なつながりよりも駆け引きが重要なことがあります。

 

妄想性パーソナリティ障害の方は駆け引き上手なので、有能な者同士がしのぎを削るような場面で参謀として活躍できる可能性が。

トップに立つよりも影の実力者として敵対勢力を上手にあしらったり、怪しげな取引に目を光らせて進言したりといった活躍が見込めます。

また、人の裏を読むということは気配りにつながるので、裏を読み過ぎなければ気配り上手で人間関係をスムーズに運べます。

 

その他の病気との違い

どの病気との鑑別においても最終的には専門医の診断が重要です!

ここでは参考までに、大まかに見るとこんな違いがあるよということだけを紹介していきます。

 

妄想性障害との違い

薬が効かない病気?妄想性障害とは-妄想の種類や治療、接し方を解説
以前、私は妄想性障害という病気についての記事を書きました。

その際に妄想性パーソナリティ障害と妄想性障害の違いとして、『器質によるものが含まれるか』という差を挙げました。

また、事件を起こした際には妄想性パーソナリティ障害はほとんど確実に責任能力が認められますが、妄想性障害は確実とは言えません。

ただし、妄想性障害と妄想性パーソナリティ障害の関連性は高く、妄想性パーソナリティ障害に関連して妄想性障害が起きたりもします。

まとめるとこんな感じです。

 

妄想性障害…器質性を含む、責任能力があるか確実とは言えない

妄想性パーソナリティ障害…器質性は含まない、責任能力はほとんど確実にあると言える

 

統合失調症との違い

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統合失調症と妄想性パーソナリティ障害では妄想の内容が異なります。

統合失調症で見られがちなとっぴな発想(宇宙人の襲来、巨大組織に狙われている)は妄想性パーソナリティ障害には見られません。

 

統合失調症…妄想の内容に常識を逸脱したとっぴなものも見られる

妄想性パーソナリティ障害…ひどい猜疑心だけれど内容自体は常識の範囲を大幅に超えない妄想

 

権力者の病?

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妄想性パーソナリティ障害は権力者の病と言われることがしばしばあります。

実際に海外のサイトなどで妄想性パーソナリティ障害の可能性がある有名人を調べてみると、スターリン、ヒトラー、フセイン、ポル・ポト、ニクソンなどが紹介されていました。

 

権力者は『人一倍の疑心暗鬼と過剰防衛』を必要とすることから妄想性パーソナリティ障害の可能性も高くなるようです。

特に政治の場面では、仲間と思っていた人物が敵だった・命を狙われるというのも実際の生活であり得ない話ではありません。

もちろん政治的な権力者だけではなく、大企業のトップなどにもその可能性はあります。

ほかの人々よりも疑心暗鬼と過剰防衛をするくらいで安全が保たれる権力者は少なくないと思います。

 

ところが疑心暗鬼・過剰防衛が度を超えると、今度は(本人にとっては怪しげな)民衆の排除に向かってしまいます。

なまじ権力を持っているだけに、自分の力で軍隊を動かして歴史上類を見ないほどの事件になることもあります。

 

接し方のポイント

親しくなりすぎない

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妄想性パーソナリティ障害の方にとってもっとも危険なのが『親しくなる』ということ。

人とつながること=裏切られるリスクが高まるということです。

親しくなればなるほど『今の親しい状態から裏切られるのでは?いや、裏切られるはずだ!』と思って猜疑心が膨らみます。

そしてちょっとしたことでその猜疑心が爆発すると、今度は束縛や復讐といった手段に出ます。

目を合わせて会話しなかった、約束に3分遅れたなどの小さなことも、積もり積もった猜疑心を爆発させるスイッチになるんです。

トラブルを避けたいのであれば、親しくなりすぎないことは重要なポイントです。

心の内を全部話すような関係、お互いにお互いしかいないような関係ではなく、みんなで一緒に遊ぶようなラフな関係を目指しましょう。

 

戦わない

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妄想性パーソナリティ障害の方の執着心には目を見張るものがあります。

このパーソナリティ障害カテゴリでは何度も登場する岡田尊司さんの著書にはこんな記述が。

彼にとって訴訟など朝飯前のラジオ体操のようなもの

岡田尊司 (2004).パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか 186

ですので、戦おうとすればするほど深みにハマる可能性があります。

基本的に些細なことは戦わない方が自分にとってメリットがあることを覚えておきましょう。

ただし、私個人としては戦わなければいけない場面もあるのではないかなと思っています。

例えばストーカーとかだと、戦わずにのらりくらりとかわし続けるのも難しいかなと。

そのときには、万全の準備、協力してくれる仲間ができるまでは敵意を見せないことが大事と感じました。

 

参考文献・サイト

岡田尊司(2004)『パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか』PHP新書

岡田尊司(2004) 『人格障害の時代』 平凡社新書

磯部潮(2003)『人格障害かもしれない どうして普通にできないんだろう』 光文社新書

Famous People with Paranoid Personality Disorder|HRF

 - パーソナリティ障害