ストレスで声が出なくなる!失声症の症状や治療、有名人は?

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      2017/07/17

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今までストレスで胃痛がしたり喉が痛くなったり…という症状を紹介してきましたが、今回は『ストレスで声が出なくなる』という失声症を紹介します。

実はかなり珍しい症状で、海外のサイトで調べても失声症の体験談はそれほど多くは出てきません。

今回は失声症の症状、治療はもちろん、失声症を体験した有名人のお話も掲載したいと思います。

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失声症の種類・特徴

まず失声症というのはどんな病気かというと、心因性(心に原因がある)で声が出なくなる病気です。

喉に異常があったり、脳を損傷したときに見られる『言葉の意味がわからなくなる』というのとは違います。

言葉の意味も分かるし喉に異常もない。

なのに喋れなくなってしまうのが失声症の一番の特徴です。

30歳以上の、特に更年期の女性の患者が多いとされています。

 

失声症が起きているときの喉の状態は?

喉に異常はないのに声が出なくなる仕組みには、喉の筋肉の使い方が関係しています。

当サイトでもたびたび出てくる自律神経、これが喉から声を出すための筋肉とかかわっているんです。

心が疲れていたりうつ状態になっていると多くは自律神経系が乱れています。

交感神経が優位の緊張しやすいタイプだと、リラックスを司る副交感神経の機能が低下するのが特徴。

発声のための筋肉を動かすには副交感神経のうち迷走神経がしっかり働く必要があるのですが、交感神経優位では迷走神経の機能も低下します。

それで声が出なくなると考えられます。

 

声の出る失声症もある?

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失声症は『声を失う』と書くので、まったくしゃべれなくなるイメージもあると思います。

ですが、実際には声が全く出なくなるタイプだけではなく声は出るけどうまくしゃべれないというタイプがあります。

かすれ声になったり、途切れ途切れの発音になったり、人に聞こえるギリギリの音量でしか喋れなくなったりと人によって症状は様々です。

 

痙攣性発声障害を知ろう

失声症と似たような病気で、痙攣性発声障害という病気があります。

痙攣性発声障害も喉には異常がないのですが、脳と神経系統に異常があるタイプ。

字を書くときに自分の意思とは関係なしに力が入って字が書けなくなる書痙などと同じ、ジストニアの一種です。

精神的につらいことがあると症状がひどくなりやすいので痙攣性発声障害と失声症は似ていますが、痙攣性発声障害は脳と神経系統に原因があるという点が違います。

 

緘黙と失声症の違いって?

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緘黙は失声症と同じように言葉の理解能力、喉から音を出す能力はあるのに声を出せない症状です。

緘黙は失声症のように『ストレスが体に出るタイプの転換性障害』ではないのが特徴で、主に選択性緘黙、心的外傷性緘黙などに分かれています。

選択性緘黙の場合は家族や親しい人の前では話せるという違いがありますが、心的外傷性緘黙と失声症は非常によく似ています。

そのため、プロが経過観察をしながら見分けなければいけないケースもあり、自分で見分けるのは難しいです。

 

どのくらいのストレスで失声症になるの?

個人によってストレスの感じ方、対応の仕方、対応できる能力が異なるので一概にどのくらいとは言えませんが、少なくとも失声症になるくらいのストレスと言うのは、本人にとっては耐えられるレベルを大きく超えたストレスです。

PTSDの原因であるトラウマ的な要素も持っており、通常通り自分の体や心をはたらかせることが出来ないくらいの大きなストレスと考えてください。

大きな事故・事件に遭遇したなどのほかに、慢性的な嫌がらせを受けた、ひどい孤独を感じたといったケースでも失声症は起こり得ます。

 

失声症の検査と治療

失声症の検査方法について

この間紹介した心臓神経症についてもそうなのですが、心因性で体に症状が出る場合、まずほかの病気の可能性をすべて消してから診断されます。

というわけで、失声症の場合も喉の検査は一通り行って、声帯や喉の機能に異常がないことを確かめる必要があるんです。

喉の検査のほかには、心理的なストレスを測るための心理検査も行われます。

 

失声症の治療法1.箱庭療法

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失声症は心理的な問題から来ているので、心理療法も治療に取り入れられています。

箱庭療法は砂の入った箱の中におもちゃを自由に置いていくという治療法。

どんなおもちゃをどこに置くか、どんなふうに置くかによって心の奥にある思いを表現できるのが箱庭療法の特徴。

カウンセラーはその結果をクライアントの理解に役立てて、治療者自身も気付きを得られます。

箱庭療法であれこれ解釈するのではなく、あくまでも心の様子を理解するための手助けといった感じです。

他のアートセラピーについてのまとめはこちら

 

失声症の治療法2.薬物治療

うつ病やPTSDの治療に使われる薬が、失声症の心の治療に使われることもあります。

SSRI、抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系の薬などがその代表です。

また、不快な記憶やつらい思い出による不眠症などが併発している場合は睡眠薬が処方される可能性も。

主なSSRIやベンゾジアゼピン系の薬はこちらを確認してください。↓

主なベンゾジアゼピン・SSRI・タンドスピロン

 

失声症の治療法3.発声訓練

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上述の2つの治療法は心の治療ですが、発声訓練は喉の治療。

失声症の発声訓練では、まず咳払いや裏声などの喉を少しでも動かすことから始め、徐々に普段の会話で使うような喉の使い方に切り替えて行きます。

喉の専門家による指導が必要な治療です。

 

失声症の治療期間

基本的に失声症の治療期間はそれほど長くならないケースが多いです。

一時的に大きなショックに心が対応しきれていないだけであれば、治るまで1週間程度と言われています。

ただし恒常的にストレスがかかりつづけていたりうつ病を併発したりすると半年以上の治療期間になることもあります。

 

失声症の有名人

山口もえさん

2013年にかつて失声症にかかっていたことをテレビ番組で明かしました。

結婚生活に対して山口さんが旦那さんに常に尽くす形になっていたのが大きなストレスになったそう。

特に料理に関してはこだわりがあったようで、いつもおかずは5品作っていたとか。

現在はその時の旦那さんとは離婚、2015年10月に爆笑問題の田中裕二さんと再婚しました。

 

森友嵐士さん

ロックバンド『T-BOLAN』のボーカルだった森友嵐士さんは、14年間歌が歌えなかったことを明かしています。

日常会話は出来たということで、失声症というよりも場面緘黙的な要素が強かったのかなと私は思います。

ちなみに1年かけて1曲を練習してようやく歌えるようになったくらいで、治療にも長い時間を費やしたそうです。

 

美智子皇后陛下

皇后陛下は1993年の各種雑誌によるバッシングによって一時的に失声症になったとのこと。

雅子妃への態度、宮中での過ごし方について流れた事実とは違う報道への過大なストレスを感じ、最終的に声が出なくなってしまいました。

その際には清子内親王(当時)が皇后陛下に常に付き添い、母である皇后陛下の言葉を代弁することが多かったのですが、1年後には無事回復しました。

 

まとめ

・失声症とは心理的な要因で声が出なくなる病気

・喉には異常がないが、喉の筋肉を上手に使えていないと考えられる

・似たような症状を持つ病気に痙攣性発声障害、緘黙などがある

・原因は主にストレス

・箱庭療法、薬物治療、発声訓練などでの治療が行われる

 

hanami5長い間失声症を患っている方のなかには手話で会話するかたもいるようです。

とても大変な病気なんだな…と感じました。

 - 心の病気・ストレスと関係する病気