【感想】スタンフォードのストレスを力に変える教科書

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      2017/07/17

この記事の読了時間: 650

ストレス関連の本はそれなりに読むのですが、いつもの本屋さんに行ったら『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』というのが平積みされていて、思わず買ってしまいましたw

ストレスって悪いものと思われがちですが、その思い込みを外してくれるようなタイトルに惹かれたのもあって。

ストレスを新しいかたちでとらえることで、帯にあるような『不安、プレッシャー、過去のつらい経験はエネルギーの源』と考えられるのか?不安な人が買った方がいいか?とかを考えつつ、読んでみた感想を書いていきます!

また、著者のケリー・マクゴニガルさんが出演したTED動画も最後に紹介しますね。

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本書の特徴と構成

まず、この本は『ストレスは悪い』という考え方を変えるためのさまざまな科学的根拠に満ちた本です。

ストレスに対する反応にはさまざまなものがあって、自分自身がそれを変えてストレスを利用し、さらに豊かな人生を送るのがテーマと私は感じました。

構成は1-3章がPart1、4-7章がPart2となっています。

Part1ではストレスを見直す、ストレスによる反応について知るのが主なテーマです。

Part2は実践的な話で、7章の『おわりに』以外はエクササイズがたくさん載っているのでどんどん試せます。

 

こんな前提で読んでみよう!

既存のストレスのイメージをそのまま持って、次々に『こんな実験があるのか…!』とびっくりするのも本書の楽しみの1つではあると思います。

でも私は猜疑心が強くて、『でもねぇ…』って各所でネガティブが出てきてしまいました。

そのたびいろんな場所にちりばめられた注釈を見たりストレスの定義を見直したりして考えることが多かったです。

なので、猜疑心の強い人向けに、いくつかこんな前提で読んでみては?というのを挙げておきます。

 

本書におけるストレスの定義を確認

ストレスとは、自分にとって大切なものが脅かされたときに生じるものである

このざっくりとした定義を忘れると、ついつい自分の勝手な定義にしてしまって納得いかない部分がたくさん出てきて、自分でもびっくりしましたw

なので、あくまで(意図的に)ざっくりとストレスをとらえている本だと知っておきましょう。

 

『ストレスに強い=苦しまない』ではない

ストレスに強くなるということは、ストレス下にありながら勇気や成長を呼び起こすこと、勇気や成長を呼び起こせると自信を持つことです。

苦しみながらも勇気や成長を呼び起こし、肯定的な経験に変えていくのがストレスに強くなるってことなのです。

 

『苦しみの経験に感謝しろ』ではない

これは第6章に書いてありますが、もっと早い段階で前提として知っておいてもよいと感じました。

今までの苦しい経験、つらい経験に感謝したり、苦しい・つらい経験を積極的にしろということではないです。

 

本書のストレス研究の結果をざっくりまとめ

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本書のストレス研究の結果をものすごーくざっくりまとめてみました。

・ストレスは体の力を集めたり、パフォーマンス力をあげたり、社会的なつながりを強化する

ストレス反応にはいくつかの典型的な種類があり、各反応によって体に起こる生物学的な変化が異なるため、ストレスへの対処方法もそれぞれ異なります。

たとえば「チャレンジ反応」が起こると、自信が強まり、進んで行動を起こし、経験から学ぼうとします。

いっぽう「思いやり・絆反応」が起こると、勇気が強まり、進んで人の世話をし、社会的な関係を強化します。

・ストレスへの向き合い方を変えれば体や脳の反応も変わる

・ストレスに敏感な人たちは不安やうつを抱えやすい一方で、人としての成長の可能性もあるなどプラスの結果になることも多い

・ストレスがあると人生の満足度が高まる

 

不安な人へのおすすめは第4章

「チャレンジ反応」というストレス反応を解説・実践エクササイズのある第4章が不安な人におススメしたい章です。

ストレスを避ければ避けるほどますます不安になる、というのは不安障害あるあるの1つかと思います。

不安を回避せずに力に変えていく考え方、やり方を本書の第4章では学べます。

ただ、不安に振り回されているケースでは一時的に不安を減らして、治療者と一緒に不安を力に変えていくことを学べたら…と思いました。

経験上、こんなことやってみたら?って言われても絶対できない時があるなって感じたので…。

また、もう1点気になるのは自尊心の問題。

自尊心が根本的に欠けがちだったり低かったりする場合は、自尊心を底上げしてからの方が各エクササイズがうまくいくと思います。

 

おすすめのエクササイズ/本書がおすすめの人

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当サイトで対象としている『不安な人』にも治療中、治療前、治療は必要ない程度…といろいろ事情があると思います。

本書がおすすめの人は、いわゆる『感情/欲求解放(ホ・オポノポノやセドナメソッド)』実践の段階にいる人。

自分をある程度客観的に見ることが出来て、なおかつ自尊心や自分を許す心も持ち始めている…というなら本書が活躍するはずです。

ストレス下にはいるけれど、自分の存在や自分が人間らしく生きることに疑問を感じていない人にもおススメ。

一方で、過去の経験などによって自尊心を著しく傷つけられたままの人にはあまり合わないかなーと思いました。

自尊心を回復させるための自愛の本や当サイトでも紹介している自己観察・自愛あたりを参考にして、自尊心を回復してから本書に取り組んだ方が効果が出るかと。
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おススメのエクササイズはP.315の『逆境のなかでもよい面を見つける』やP.327の『自分の「回復の物語」を書いてみる』です。

これは特に寛解期、社会復帰や人生のイベントを前にしたときにぴったりです。

あとP.142の『あなたにとって大切な価値観は?』は自分を見直すきっかけになるし、生産性をアップさせてくれます。

自分の時間って毎日無駄だ…と思っている方には試してみて欲しいエクササイズです。

 

すべてを通した感想

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私はストレスについてさんざん色々と書いてきたので、正直に言えばストレスは悪いものだと思ってきたんですよね。

一概に『ストレスからはとにかく逃げまくれ!』と言ってはいなくてもそうとらえられる文面もあったろうな…とちょっと反省。

ストレスへの向き合い方を変えて力にしよう、という本書のテーマには激しく共感します。

ストレスに対する、そしてストレス以外に対する認知の歪みの改善はこのサイトのテーマの1つでもありますし。

これからもストレスと心の状態・体の状態に関する記事は書きますが、もっと慎重に、ストレスの良さ・素晴らしさも考えつつ書いて行こうと心をキュッと引き締めてくれるような本でした。

ちなみに筆者のケリー・マクゴニガルさんのTED動画もあるのでそちらを見て、内容に興味を引かれたら買ってみるのもいいと思います!

 

まとめ

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・自尊心はあるけど不安な人には各種エクササイズが役に立つ

・会社のストレスや人間関係のストレスには悩んでいるけど病院に行くほどでは…という人にもおススメ!

・ストレスに対する価値観の転換が起きることは確か

・自尊心の低い人や極端に『苦しみ』『不安』が怖い人はそこを改善してからの方がおススメ

・P.315、P.327、P.142のエクササイズは楽しいし、得るところがいっぱいだった

hanami7なんか急にストレスさん(?)にも優しくしよう…と思わされました。

今まで邪険にしすぎてごめんよ…!!

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