睡眠不足の影響研究4選+最低限の睡眠時間、自分に合った睡眠時間を考える

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      2017/05/16

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忙しくなるとついつい睡眠不足になりがちですが、睡眠不足は脳にも深刻な影響を与えます。

睡眠不足が引き起こす影響についての4つの研究結果と『最低限の睡眠時間』って何?ということを考えてみました。

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睡眠不足で感情がコントロールできない

イスラエル出身のドクター、Eti Ben Simon博士らの共同研究で、睡眠不足によって脳の感情コントロール能力が低下することがわかりました。

これは18名の大人を対象にした研究で、徹夜した組とよく眠らせた組に分け、その後ある課題を行ってもらいます。

課題には『感情を刺激する妨害画像』、『感情を刺激しない妨害画像』の2種類が時々出てくるように組み込まれています。

この研究で、普通に寝た組は感情を刺激しない妨害画像には反応しなかったのに、徹夜した組は感情を刺激しない妨害画像にも反応しました。

つまり、睡眠不足だと脳がささいな刺激にも過剰反応する可能性があるということです。

 

5日間の睡眠不足でも抑うつリスクに

睡眠不足,影響,論文,精神,寝不足,うつ,感情,脳,アルツハイマー続いては日本の国立精神・神経医療研究センターの研究です。

研究の参加者である成人男性14人は全員5日間、1日4時間半の睡眠を取ります。

そして上記の実験と同じように参加者に画像を見せて脳の働きを測りました。

すると普段、脳がささいな刺激に反応するだけではなく、過剰反応を押さえる働きが弱まっていることも分かったのです。

 

睡眠不足は酔っ払いと同じ?

寝不足のときってどうしても勉強や仕事の作業効率が落ちてしまいますが、なんとそのレベルはアルコールを飲んだ時と同様という結果が出ています。

カナダのFatigure Science社によれば、同社の疲労測定ウェアラブル端末『Readiband』での測定で睡眠不足の人は反応速度が40%落ちることが明らかに。

これは弱度酩酊と呼ばれる、ほろ酔い状態と同じなのです。

 

寝不足から記憶障害になることも!

カリフォルニア大学バークレー校の研究によれば、睡眠不足によって脳の長期記憶に影響を及ぼす『アミロイドβタンパク質』という物質が発生しやすくなることが明らかになりました。

このアミロイドβタンパク質が蓄積していると睡眠不足になりやすく、睡眠不足が再びアミロイドβタンパク質を増やしてしまうという悪循環にもつながります。

なお、アミロイドβタンパク質が蓄積すると記憶機能に問題が出るアルツハイマー型認知症になる可能性が高まります。

 

最低限の睡眠時間を考える

睡眠不足の脳・心への悪影響を予防するにはやはり『最低限の睡眠』が必要と言われることが多いです。

でも、最低限の睡眠時間って一体何時間なの?ということがはっきりと書かれていなかったのでいくつかの研究結果をもとに考えてみたいと思います。

 

『適切』は6-8時間

睡眠時間,最低,最低限,最低でも,最低ライン,必要,最低何時間,最低まず最低限よりも多い
『適切』な睡眠時間は、6-8時間と推測
されています。

日本睡眠学会や厚生労働省では適切な睡眠時間は人それぞれであるという前提のうえで、日本人の6割の睡眠時間が6-8時間の間にあることから、この数字の間に適性・適切な睡眠時間があるのではという見解を出しています。

これくらい寝ておけばほぼ安心と言えるのは6時間以上と考えられるでしょう。

 

3-4時間でもOKなショートスリーパー

日本人の5-8%を占めると言われる(詳細な研究結果はなし)ショートスリーパー。

彼らは脳の機能回復が早いタイプで、3-4時間でも睡眠時間が十分なケースが多いです。

ショートスリーパーは遺伝子に特徴があり、カリフォルニア大学の遺伝子研究では3%にショートスリーパー遺伝子が見つかったとのことです。

 

普通の人に3時間睡眠は無理!

睡眠時間,3時間,4時間,5時間,6時間,8時間,必要,不必要,研究かなり前の研究ですが、アメリカ空軍の協力のもと1965年にフロリダ大学が行った研究では、3時間睡眠×8日で視覚関連の作業効率が著しく落ちることが明らかになっています。

ほとんどの方が視覚を使った勉強、運転、書類整理などを日常的に行っていると思いますので、やはりショートスリーパーでない場合は3時間睡眠には無理があると言わざるを得ません。

 

5時間-6時間半で長生き!

カリフォルニア大学サンディエゴ校のダニエル・クリプキ教授らによる400人以上の女性を10-14年追跡した研究では、睡眠時間が5時間から6時間半の人がもっとも長生きでした。

これはうつやその他生活習慣病の経歴を調整して算出された数字です。

クリプキ教授は睡眠の質にも言及し、睡眠の質が保たれていれば5時間程度の睡眠時間でも十分に健康を維持できる可能性があるとのこと。

 

結論:最低限の睡眠時間とは

睡眠時間,うつ,睡眠不足,最低限,最低ライン,何時間今回、すべての研究を見たわけではないですが何時間ならOK!いやいやその時間は危険!とかいろんな話が出てきて管理人は混乱しましたw

まとめて共通する部分を抜き出してみると、『健康人であれば最低限の睡眠時間は5時間以上』と言えるのではないかと思います。

まず3時間台は危険という研究が多いです。

4時間や4時間半睡眠だと医師の南雲吉則先生なんかも実践してますが、こちらも4時間半×5日で脳の機能が低下することがわかっているので、4時間睡眠に挑戦するのはいいけど常に体調やメンタル面に気を付けつつ…が良いでしょう。

仕事や学業のクオリティでは最低ラインとして5時間と言われることが多いですし、5時間を超えると危険という研究と安全という研究が入り混じるのでこれが最低ラインではないかと。

 

ただし!メンタルヘルス的な観点でリスクが高い方は6時間が最低限と言えると思います。

クリプキ教授の研究では5時間から6時間半でも健康を維持できる可能性が指摘されたものの、日本の自死者の睡眠時間は平均5時間。

もともと自律神経系が弱かったり精神疾患の治療中は最低限でも6時間の睡眠を意識した方が良いと思います。

 

自分にぴったりの睡眠時間の見つけ方

最低限の睡眠時間ではなく、自分にぴったりの睡眠時間を見つける方法もあります。

むしろ健康のことを考えると最低限睡眠を取ろうというよりも、自分に適切な睡眠時間で昼間のパフォーマンスをベストに引き上げることの方がメリットが大きいです。

では、具体的なやり方を書いていきますね。

 

睡眠にベストな環境を作る

自分に合った睡眠時間,見つけ方,方法,調べ方自分に合った睡眠時間を測るためには、まず睡眠の質を上げるところからスタートです。

自分の体や心はすぐには変えられませんが、環境はものによってはすぐに変えられます。

光の入り方によってカーテンを変えてみる、布団の厚さに気を配る、雑音を防止するための耳栓などを買ってみるのも1つの方法。

概日リズム(体内時計)対策に光目覚ましを使ってみるのもよいですね。

個人的にはトゥルースリーパーが気になりますが、試した方いたらTwitterとかで教えてくださいw

 

目覚ましなしで起きてみる

次にやるのは、目覚ましをかけずに起きてみるということ。

目覚ましに無理やり起こされている感がある方には1度は試してみて欲しい方法です。

基本的には就寝時刻から目覚ましなしですっきり起きられた時間までがベストの睡眠時間です。

 

1日の予定をこなして様子を見る

自分,合った,睡眠時間,適切,見つけ方,調べ方目覚ましなしで起きてみて、『自分に合った睡眠時間の予測』を立てたら、次は1日の予定をいつも通りこなします。

人間は昼間に軽い眠気が来たりするのでそれはOKですが、それ以外に異常な眠気や我慢できないほどの眠気・疲れが来ないかを確認してください。

異常があれば、その日は少し早目に寝て再び目覚ましなしで起きて…を繰り返して『目覚ましなしで起きられる&1日の予定も問題なくこなせるライン』を見つけましょう。

 

日々の変化に気を付けつつベストを見つける

基本的には『目覚ましなしで起きられる&1日の予定を問題なくこなせる』という時間の平均があなたにもっとも合った睡眠時間です。

ただしこれには変化があって、人間は一般的に夏には睡眠時間が短く冬には長いという特性を持っています。

また、女性の場合は生理周期によって睡眠時間に変化が出ることも。

もちろん年齢や活動量によっても必要な睡眠時間は異なるので、適宜睡眠ログを取りながら季節別、イベント別に合った睡眠時間を探すのがよいかと思います。

 

まとめ

今回の記事、割と長くなってしまったので要点を簡単にまとめます。

 

・睡眠不足で抑うつリスクアップ!感情もコントロールしにくくなる

・最低限の睡眠時間は健康人なら5時間、精神疾患治療中やリスクが高い人は6時間が目安と考えられる

・目覚ましなしで起きられること、1日の予定を問題なくこなせることが『自分に合った睡眠時間』を見つけるうえで大切

 

 

参考文献・サイト

Title:Losing Neutrality: The Neural Basis of Impaired Emotional Control without Sleep
Author:E.B.Simon他
URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26400948

Title:国立精神・神経医療研究センター・三島和夫部長らの研究グループが、睡眠不足で不安・抑うつが強まる神経基盤を解明
Author:国立精神・神経医療研究センター
URL:http://www.ncnp.go.jp/press/press_release130214.html

Title:didnt-get-enough-sleep-you-might-as-well-be-drunk
Author:Kelly Clay、研究はFatigur Science
URL:http://www.forbes.com/sites/kellyclay/2013/09/04/didnt-get-enough-sleep-you-might-as-well-be-drunk/

Title:Sleep Deficit Linked to Accumulation of Alzheimer’s Protein and Memory Loss | Neuroscience News
Author:研究はMatthew Walker他
URL:http://neurosciencenews.com/amyloid-beta-sleep-alzheimers-2079/

Title:How Much Sleep Do You Need?
Author:HelpGuide.org
URL:http://www.helpguide.org/articles/sleep/how-much-sleep-do-you-need.htm

Title:Women’s Study Finds Longevity Means Getting Just Enough Sleep
Author:Scott LaFee、研究はDaniel F. Kripke他
URL:http://ucsdnews.ucsd.edu/archive/newsrel/health/09-30sleep.asp

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