統合失調型パーソナリティ障害の特徴、治療、生かし方、ほかの病気との違いを知ろう

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今回は妄想性パーソナリティ障害やスキゾイドパーソナリティ障害と同じA群(奇異群)に含まれる統合失調型パーソナリティ障害について紹介します。

スキゾタイパルパーソナリティ障害と呼ばれることもあります。

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統合失調型パーソナリティ障害の特徴

統合失調型パーソナリティ障害の最大の特徴は『常に頭のなかが大忙し』ということです。

一見何も関係のなさそうに見えるところから連続性を見出したり、思いつきが次々と生まれてきたり、彼らの頭のなかは常にフル回転している状態です。

それが高じて日常生活に影響を及ぼすこともあるのです。

頭の中の世界に没頭するあまり、日常の些末なことがおろそかになる方も少なくはありません。

また、『関係を見出す』という点が過剰になりすぎて半ば妄想めいたことを主張するケースもあります。

その他、オカルト・第六感・精神世界に興味を持つ方も多いようです。

 

統合失調型パーソナリティ障害の疫学

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アメリカの18歳以上の成人を対象とした研究では、生涯有病率は3.9%、男性で4.2%、女性で3.7%となりました。

男女比で言えば男性に多いほか、この研究では黒人女性に多いこともわかっています。[1]

遺伝性については30-50%と推定され、統合失調症や別の精神病性障害を持つ親戚・家族がいる場合には、リスクが大きくなる可能性があります。

 

すごいところ・長所

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統合失調型パーソナリティ障害の長所は何と言っても発想力です。

自分の世界観の中で次々に物事をつなげていくと、まったく新しい発想が生まれることがあります。

心理学者・精神科医のカール・グスタフ・ユングは統合失調型パーソナリティ障害の傾向があったと言われる人物です。

既存の精神医学や心理学の枠にとらわれずに、占星術、精神世界といった側面からも心理にアプローチし続けた結果、フロイトやアドラーと並ぶ心理学の大家として功績を残しました。

ユングの伝記を読みましたが、奥さんと出会った瞬間に結婚すると確信したり、亡くなるときがわかったり…なんとも不思議な能力の持ち主です。

いずれにしても、革新的な発想ができる能力が生涯にわたってユングを苦しめつつも創造の源になったことは確かです。

革新的な技術が求められる場所、自分なりに精神世界を追求できる場所が統合失調型パーソナリティ障害の方には合っています。

 

治療について

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全米で最も優れた病院ランクにもたびたび登場するメイヨークリニックでは、統合失調型パーソナリティ障害の治療について『薬物療法と1種類以上の心理療法』の組み合わせを紹介しています。

統合失調型パーソナリティ障害の方が困るのは何と言っても対人関係。

対人関係がおろそかになるがゆえに、せっかくの発想力が生かせなくなることもあります。

その部分を補強するために認知行動療法、家族療法などが取り入れられています。

日本の精神科医である岡田尊司さんも現実的な能力の補強・支えとなる環境の重要性について述べています。

 

信頼関係と社会的支援

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少数の人とであっても上手に信頼関係を築くことを学び、自分に適した形で社会生活を送るようになると、統合失調型パーソナリティ障害の方の問題は軽快していきます。

1人の時間をしっかり作れる職場や働き方は今や多くの場所にあります。

私自身も家で仕事をしていますが、そういったスタイルの仕事は統合失調型パーソナリティ障害の方に合っているのではないかと思います。

また、周囲の方とよい関係を築いて統合失調型パーソナリティ障害の方の現実適応力の不足を補ってくれるようになれば、本来の力が発揮できます。

 

その他の病気・障害との関連性

アスペルガー症候群

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統合失調型パーソナリティ障害の方のマイペースな対人様式はアスペルガー症候群の方のそれとよく似ています。
共通点、違いをまとめてみたので参考までにどうぞ。

 

共通点

マイペース、人の気持ちを推し量るのが苦手、変わり者の印象

 

違い

アスペルガー症候群…より論理的、言語的で、妄想的な発想を伴わない

統合失調型パーソナリティ障害…より感情的、非言語的で妄想的な発想を伴う

 

統合失調症

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統合失調型パーソナリティ障害と統合失調症は同じあるいはよく似た遺伝的素質を持っています。

そのため、統合失調型パーソナリティ障害は『統合失調症を発症していない状態』とも考えられるのです。

基本的には連続性があって、中には統合失調症の発症危機を迎える方もいます。

 

参考文献・サイト

1.Prevalence, Correlates, Disability, and Comorbidity of DSM-IV Schizotypal Personality Disorder: Results From the Wave 2 National Epidemiologic Survey on Alcohol and Related Conditions 

Kendler KS, Hewitt J(1992).The Structure of Self-Report Schizotypy in Twins

Macare C, Bates TC, Heath AC, Martin NG, Ettinger U(2012).Substantial Genetic Overlap between Schizotypy and Neuroticism: A Twin Study

Linney YM, Murray RM, Peters ER, MacDonald AM, Rijsdijk F, Sham PC(2003).A quantitative genetic analysis of schizotypal personality traits.

Schizotypal personality disorder|MAYO CLINIC

岡田尊司(2004)『パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか』PHP新書

岡田尊司(2004) 『人格障害の時代』 平凡社新書

磯部潮(2003)『人格障害かもしれない どうして普通にできないんだろう』 光文社新書

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