WHO(世界保健機関)が発表した、メンタルヘルスの10の事実

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      2016/11/28

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国際連合の専門機関、WHO

病気の研究や医療・医薬品の普及、感染症対策などいろいろな場所で活躍している機関でもあります。

そんなWHO(世界保健機関)が発表しているメンタルヘルス10の事実を見つけたので、要約してみます^^

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世界の子供たちの20%は精神障害、精神の問題を抱えている

精神疾患の半分は、14歳よりも前に発症することがさまざまな文化圏で報告されています。

神経精神障害は世界的に見ても、若者の障害の主要な原因の1つとなります。

ところが、19歳未満の人口の割合が最も高い地域は、メンタルヘルス的には最貧レベルです。

低・中所得国には、100-400万人に対して1人の児童精神科医しかいないのです。

 

精神障害と物質使用障害は、世界中の障害の主要な原因

(筆注)物質使用障害というのは、アルコール依存・薬物乱用や依存の概念をまとめた言葉です。

障害のために失われたすべての年月のうち23%は、精神障害と物質使用障害によるものです。

 

毎年800万人が自ら死を選ぶ

自分で死を選ぶ人の多さ
毎年800万人以上が自ら死を選び、15-29歳では死亡原因の第2位ともなっています。

特に原因となっているのは精神障害とアルコールの有害な使用であり、早期発見と効果的な管理が必要となります。

 

戦争や災害は精神的・心理的健康に大打撃

精神障害の割合は、何らかの緊急事態の後に増加する傾向があります。

(筆注)2011年の東日本大震災では『うつや不安傾向が強い』と判断される人が全国調査(2004)に比べて3倍近くの高確率となりました。(2014調査)

また、東北大学の研究によれば、津波の被害を受けた沿岸部の人々の方が抑うつ傾向やPTSDの割合が内陸部よりも多かったとのこと。

 

精神障害はほかの疾患や傷病の高リスク要因

精神疾患と心疾患、糖尿病
精神疾患はHIV、心血管疾患、糖尿病などの病気のリスクを高めますし、その逆も然りです。

(筆注)国立精神・神経医療研究センターの伊藤弘人さんによれば、循環器病から脳卒中などを発症するリスクはうつ病性障害があれば2倍となるそうです。

また、糖尿病があるとうつ病の有病率が糖尿病ではない人に比べて2倍となります。
(参考:http://www.ncnp.go.jp/nimh/syakai/project/project_physical_mental/)

 

患者や家族への差別は治療を求める人々からケアを遠ざける

精神障害を取り巻く誤解、汚名が根付いています。

精神障害に対しての効果的な治療法が存在しているにも関わらず、治療不可能だとか、精神障害は難しい病気だ、精神障害者は賢くない、意思決定を行えないといった思い込みがあります。

こうした汚名を着せられるのを嫌がり、人々が健康管理やサポートを受けにくくなります。

 

精神的・心理的障害を理由とした人権侵害がある

人権侵害と精神病
多くの国々で、精神的・心理的障害を持つ人々に対する人権侵害が日常的に報告されています。

物理的な拘束や隔離はもちろんとして、基本的なニーズやプライバシーの侵害もあります。

いくつかの国しか、精神障害を持つ人々への権利を保護する法的枠組みを持っていないのです。

 

メンタルヘルスの人材分布には偏りがある

精神科医、精神科の看護師、心理学者、ソーシャルワーカーが不足していることは、低・中所得国における精神障害治療の障壁の1つです。

低所得国においては、10万人あたり0.05%の精神科医、0.42%の看護師しかいません。

高所得国になるとこの割合は精神科医では170倍に、看護師では70倍にもなります。

(筆注)以前、TED動画で中・低所得国の医師不足とそれを解消する方法の1つ『タスクシフティング』を紹介しました。参考までにどうぞ↓

地域が助けるメンタルヘルス-TED動画から考える

 

精神保健サービスの可用性のための5つの障壁

精神保健サービスの可用性
精神保健サービスの可用性を高めるためには、克服すべき5つの障壁があります。

・公衆衛生の議題から精神衛生が欠如していることと資金調達の問題

・現在の精神保健サービスの組織のあり方

・プライマリーケアにおける統合性の欠如

・メンタルヘルスのための人材が不足していること

・公衆衛生におけるリーダーシップの欠如

 

(筆注)可用性とは、システムが継続して稼働できる能力のことです。

ここでは、精神保健サービスを安定性・継続性を持って稼働することを指すと思われます。

また、プライマリーケアとは総合的な医療のことで、詳しくは日本プライマリ・ケア連合学会のサイトがわかりやすかったです↓

日本プライマリ・ケア連合学会

 

精神医療サービスを増やす財源は実は控えめ

精神医療サービスのための財源負担
政府や精神医療サービスを利用するユーザー、家族などは精神医療サービス向上のためにある程度協力する必要があります。

この傾向は、低・中所得国では特に顕著です。

必要な財源は比較的控えめで、低所得国では年間1人あたり2ドル(240円程度)、下位所得国では3-4ドル(360-480円程度)です。

題名:10 FACTS ON MENTAL HEALTH
URL:http://www.who.int/features/factfiles/mental_health/mental_health_facts/en/index9.html

 

hanami1以上、メンタルヘルスについて知っておきたい10の事実でした。

後半は患者よりもメンタルヘルスケアに関わる人にとって、より重要なことかなぁと思いました^^

 - メンタル関係の研究結果