全般性不安障害の治療と生活がわかる一問一答

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      2016/12/08

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幅広い不安が特徴的な不安障害の一種、全般性不安障害。

前回は全般性不安障害の症状などを一問一答で紹介しました。

そんな全般性不安障害についての一問一答コーナー、今回は治療と生活の注意点などを紹介していきたいと思います。

 


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全般性不安障害の治療・薬物療法

Q.治療方法は?

A.大きく分けると薬物療法と精神療法です。

ほかの安障害と同じように薬物療法と精神療法があります。

どちらかといえば急性期には薬物療法が使われることが多く、一度薬で症状を抑えて落ち着いて精神療法に取り組み、徐々に薬を減らしていきます。

また、生活習慣の乱れを直すことや食事に気を付けることなども全般性不安障害の方にとっては大事なことです。

 

Q.自然治癒する?

A.基本的には治りません。

全般性不安障害を含めた不安障害には心理治療や薬物治療など何らかのアプローチが必要なケースが多いです。

極軽度の全般性不安障害や、実は全般性不安障害ではなく適応障害だった場合には環境を変えることで良くなったりもしますが、割合は高くないと考えてください。

 

Q.治療は保険適応?

A.病院での治療は保険適応です。

病院での薬物治療や行動療法などは保険適応で治療を受けられます。

病院外のカウンセリングルームでのカウンセリングやセラピーは保険適応外となりますので、金銭的な負担がやや大きめです。

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Q.何科に行けばいい?

A.基本的には精神科です。

全般性不安障害の治療を行うのは精神科ですが、昨今は『精神科』の診療科目を使わない病院もあります。

神経科、メンタルヘルス科などは精神科と同じです。

 

Q.治療に使われる薬の種類は?

A.ベンゾジアゼピン系抗不安薬やSSRIが多いです。

不安障害の治療に使われることの多いベンゾジアゼピン系抗不安薬、SSRIが用いられます。

ただしベンゾジアゼピン系は長期服用による離脱症状などが予想されるため、使用は最小限にとどめるのが基本です。

その他、エビリファイなどの抗精神病薬、漢方薬を処方するお医者さんもいますし、全般性不安障害から睡眠障害を発症している場合は睡眠薬が処方されることも。

 

Q.薬の副作用は?

A.眠気、ふらつき、集中力低下などです。

処方される薬によって副作用は違いますが、ベンゾジアゼピン系の薬であれば眠気やふらつきが起きることが多いです。

漢方薬は効き目がゆっくりな分急激で重篤な副作用は少ないことが多いです。

もしも薬を飲んでから体がひどく震えたり尿の色が変わった、高熱が出たなどの症状があればすぐに病院へ行ってください。

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Q.薬は断薬・減薬が難しい?

A.半減期の短い薬は難しめです。

減薬・断薬の際に問題になるのが離脱症状(不安や緊張の増加、頭痛など)です。

離脱症状は薬の血中濃度が最大値の半分以下で出やすくなると言われているので、半減期(薬の血中濃度が半分になるまでの時間)が短いと離脱症状が出やすいです。

例えばベンゾジアゼピン系であればリーゼ、デパスなど、SSRIであればデプロメールやパキシルが半減期の短い薬です。

また、症状が安定していないうちは精神的に薬に依存してしまうこともあるので、自分だけで断薬・減薬を進めるのはおすすめしません。

 

Q.おすすめの市販の薬はある?

A.ノイ・ホスロールがおすすめです。

処方薬に比べると高い効果は期待できませんが、市販薬の中ではおすすめなのが救心製薬から出ているノイ・ホスロール。

漢方がバランスよく配合されています。

 

 

Q.よく使われる漢方薬は?

A.加味逍遥散、抑肝散などです。

不安障害は東洋医学では『気(目に見えない生命エネルギー)の滞りや逆行、不足』と考えます。

体質と『気』の問題に合わせて適切な処方がなされますが、代表的な漢方としていくつか紹介します。

半夏厚朴湯、加味逍遥散、抑肝散、加味帰脾湯、大承気湯など。

 

Q.薬なしでも治療できる?

A.選択肢の1つとしてはありです。

全般性不安障害の治療は薬だけではなく心理療法もあるので、薬を飲まないという選択肢もありです。

ただし、自然治癒する可能性はほぼないので、自分なりに合った心理療法や精神療法を探していく必要があります。

個人的に強迫性障害や社交不安障害などを治療した上では、『薬を上手に利用しながらいろんな治療法を試してみる』のが一番おすすめです。

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全般性不安障害の精神療法・心理療法

Q.全般性不安障害の精神療法にはどんなものがある?

A.認知行動療法がメジャーです。

全般性不安障害の治療としては認知行動療法が行われることが多いです。

到底起きそうもないことに対する不安を現実的に見つめ直し、『認知を再構築する』方法が用いられることが多いです。

 

Q.治療にエクスポージャーは有効?

A.特定の場所や場面が苦手なら有効に働くこともあります。

エクスポージャーとは、不安な状況に慣れることを目的として行われる治療法のこと。

全般性不安障害よりもパニック障害や社交不安障害の治療に使われることが多いです。

例えば苦手な社交場面に敢えて行き、不安に慣れるといったようなことです。

全体的には全般性不安障害の症状があるが、一部特定の場所や場面に対する不安感が強いときにはエクスポージャーが用いられる可能性があります。

ただし、我流でやると失敗しがちなので医師の指示を仰ぎましょう。

 

Q.森田療法とは?

A.日本発祥の心理療法です。

明治から昭和初期にかけて森田正馬医師によって創始された不安障害(当時は神経症)向けの心理療法です。

不安や緊張といった心の動きをあるがままに受容していく、自然に受け入れながら生きていくというのが基本的なスタンス。

全般性不安障害も不安障害に分類されているので、森田療法の効果が期待できます。

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おすすめの生活のコツ

Q.運動は効果があるの?

A.取り入れる価値があります。

運動だけで全般性不安障害を治すのは無理があると思われますが、通常の治療に加えて運動をするのはおすすめです。

運動をすることでものの見方や感じ方が変わることがいくつかの研究で立証されていますし、うつ病への効果も研究されています。

有酸素運動、無酸素運動(筋トレ)とありますが、全般性不安障害の場合は筋トレの効果により大きな期待ができます。

家でできる筋トレも多いので、ぜひ試してみてください。

 

Q.ヨガは効果があるの?

A.研究自体は少ないですが、期待はできます。

ヨガの効果についてはうつ病や摂食障害などで研究されることが多く、不安障害関連の研究は多くはありません。

ですが筋力トレーニングができるほか、リラックスした呼吸のトレーニングにもなるので、選択肢の1つとしてはおすすめです。

以前不安や憂鬱におすすめのヨガポーズや注意点をまとめましたので、そちらも参考にしてみてください。

 

ヨガはうつ病に効果あり?研究結果と精神安定ポーズまとめ

うつ病に対する体からのアプローチとしてヨガを取り入れる方も多いですよね。 実際、 ヨガと精神疾患、ヨガの精神的効果 に関しては複数の研究結果があります。 ここではそれらの研究結果と、精神安定と関連するヨガのポーズをいくつか紹介したいと思います。

 

Q.座禅・瞑想はどう?

A.自分をコントロールする手助けになります。

運動と同様にこれだけで全般性不安障害をどうにかしようというのではなく、手助けとしてなら活躍する可能性が高いです。

簡単な瞑想なら家でもできますが、妄想につながってしまったり逆に体調が悪くなってしまったりしたときはすぐに中止しましょう。

本格的に座禅・瞑想を学べる施設も増えてきているので、そのような施設から探してみるのもよいかもしれません。

 

Q.食事で特に気をつけるべきところは?

A.バランスが最も重要です。

炭水化物、タンパク質、ビタミン・ミネラルのバランスがもっとも重要です。

気分が落ち込むと食事量が減ったり、逆に栄養のないものばかり食べたくなったりしますが、週に2-3回は体のことを考えて食事をしましょう。

こころの安定物質であるセロトニンの分泌のためにはタンパク質と同時にビタミンB6の摂取も重要です。

 

Q.ツボ押しで不安を解消したい!

A.不安緩和に役立つツボがあります。

とっさにひどい不安に襲われた時や、とにかく不安を解消するために何かしたいときに、ツボ押しは非常に簡単な方法としておすすめです。

以前不安におすすめのツボについても書いたことがあるので、下の記事を参考にしてみてください。

 

不安に効くツボを覚えよう

 

全般性不安障害と生活・接し方

Q.全般性不安障害で労災認定される?

A.認定基準の対象ではあります。

全般性不安障害は労災の認定基準内の精神障害なので、制度の上では可能です。

ただし、業務による心理的負荷が認められること(それ以外の心理的負荷や個体側要因は認められない)という基準があるので、注意が必要です。

詳しくは厚生労働省のリーフレットで紹介されています。

 

Q.車の運転をしても大丈夫ですか?

A.あまりおすすめはしません。

全般性不安障害の治療に使われる薬は眠気を催すものが多いです。

また、運転によって『事故を起こしたら…』と不安にとらわれることもあるので、急性期が過ぎるまではあまり運転はおすすめしません。

もちろん居住地の事情などによって変わるとは思いますので、ケースバイケースではあります。

 

Q.一人暮らしをしていても大丈夫?

A.より安心できる方を選択しましょう。

一人暮らしはお金がかかりますが、干渉されない魅力があります。

実家暮らしはその逆で、お金はかかりませんが家庭によっては干渉される面倒くささがあります。

一緒に住む人の性格なども考慮したうえで『お金の問題』と『干渉(場合によっては協力)』を天秤にかけて選ぶのがベストです。

どちらを取るのがより安心できる選択肢なのかを考えてみてください。

また、うつ症状や希死念慮が出てきたら実家でなくとも誰か常に人がいる環境にいた方が安全です。

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全般性不安障害での障害年金、手帳、自立支援医療(1割負担になる制度)についてはこちらの3記事を参照してください。

特に自立支援医療制度は普段3割負担の方にとっては大きな違いになるので、ぜひ利用してほしい制度です。

手続きも難しくはありませんし、医療費の負担が減ることで気持ちに余裕も生まれます^-^

 

精神障害者保健福祉手帳/精神障害者手帳をわかりやすくまとめてみた

 

障害年金/精神障害者年金についてわかりやすくまとめてみた

 

わかりやすい自立支援医療制度(精神通院)-申請の流れや必要書類

 

Q.全般性不安障害の患者との接し方はどうすればいい?

A.よく話し合ってお互いを理解するのがおすすめです。

全般性不安障害の患者さんの『不安』は誰にでも見られる類の不安なので『ちょっと気にし過ぎじゃない?』と思うこともあるかもしれません。

ですが本人にしかわからない強烈な不安感や居心地の悪さが必ずあります。

その点を理解することで患者さんの治療の手助けをしやすくなると思うので、患者さん特有の不安について話し合う時間を設けるのも1つの方法です。

患者さんと昔からの知り合い・親子などの関係だったとしても、『彼(彼女)は私のわからない不安を抱えているんだな』というところからスタートするのがおすすめです。

 

hanami1というわけで、治療や生活面について一問一答式(とか言いながら後半解説が長いorz)で紹介しました。

あくまでも私のおすすめ、考え方ですのでそこを踏まえつつ全般性不安障害の患者さんやご家族の方の参考になれば幸いです。

長い記事でしたが読んでくださってありがとうございます!

参照サイト:http://style.nikkei.com/article/DGXMZO81108770Z11C14A2000000

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